日大アメフト部、廃部へ 違法薬物で3人の逮捕者 甲子園ボウル21度Vの名門

日大が違法薬物問題に揺れるアメリカンフットボール部を廃部にする方針を固めたことが、29日までに分かった。麻薬特例法違反(大麻譲り受け)で3人の部員が逮捕されたことなどを受け、学内の会議で方針を決定した。
同部は8月3日に警視庁から寮が最初の家宅捜索を受け、2日後に北畠成文容疑者が逮捕。10月に別の部員、11月27日には3人目の逮捕者が出た。部は9月1日から無期限の活動停止となっており、所属する関東学生連盟からは今季のリーグ戦出場資格の停止と来季の関東大学1部下位「BIG8」への降格などの処分を受けていた。
この問題を巡っては、大学側の対応を検証した第三者委員会の報告で、林真理子理事長らトップ陣の対応も問題視されていた。文部科学省も日大に対し、幹部の処分や運営体制の再構築を含む改善計画を今月中に提出するよう求めている。
日大アメフト部は1940年に創部。「フェニックス(不死鳥)」の愛称で知られ、甲子園ボウルで21度の優勝、ライスボウルで4度の優勝を誇る強豪だった。2018年には社会問題化した「悪質タックル」で関東学生連盟から1年間の公式試合出場資格停止処分を科された。
◇日大アメフト部の薬物事件経過
▽8月3日 警視庁が寮を家宅捜索
▽同5日 警視庁が部員の北畠成文容疑者を逮捕。同部は無期限活動停止処分
▽同10日 日大が活動停止処分を解除。関東学生連盟がリーグ戦出場資格の停止を決定
▽同22日 警視庁が2度目の家宅捜索。別の部員4人を任意聴取
▽同24日 日大が「第三者委員会」設置
▽同25日 東京地検が麻薬取締法違反(所持)の罪で、北畠容疑者を起訴
▽9月1日 日大が再び部を無期限活動停止に
▽10月16日 麻薬特例法違反(大麻譲り受け)の疑いで寮に住んでいた別の4年生部員が逮捕
▽11月27日 麻薬特例法違反の疑いで新たに3年生部員が逮捕