新潟県が進めてきた福島第一原発事故の3つの検証の総括内容について11月29日、新潟市で県民向けの説明会が初めて開かれました。説明会では避難方法を不安視する声が相次ぎました。
29日、新潟市中央区で開かれた説明会は、県内12カ所にもオンラインで配信され、109人が参加しました。
3つの検証をめぐっては、総括委員会の任期となる今年3月末までにすべての報告書が提出されていましたが、総括の進め方をめぐり、県と池内了委員長が対立。
県は委員の任期を更新せず、各委員会の報告書に「矛盾や齟齬がなかった」と、県として総括しました。
一方、池内前委員長も独自の総括結果を公表し、大雪時の避難に関する検証の不備などを指摘。
そして、初めて開かれた県民への説明会でも…
【説明会参加者】
「命が失われるかどうかの時に、自宅で待機しろと、このような机上の空論を持って、全体を差配すること自体が問題」
【説明会参加者】
「重要な問題だと思うので、本当にごまかさないでください」
避難方法などを不安視する意見が複数上がりました。これに対し…
【新潟県】
「屋内退避に関する有効性・有用性というのを国のほうでも周知してほしいという要望は再三言い続けている。避難訓練の中で明らかになった課題については、一つ一つ確認してクリアしていきたいなと思う」
説明会後には、最終的に県が報告書を取りまとめたことに疑問を持つ声も聞かれました。
【説明会参加者】
「どれだけ県民の声が聞けているかというのは疑問がある」
【説明会参加者】
「これでは安心して再稼働できないなという感じ」
県は今後、県民の意見を踏まえ、技術委員会で柏崎刈羽原発の安全性について議論を進めていく考えです。
【県防災局 原直人 局長】
「最後はやっぱり、柏崎刈羽原発の安全・安心になるので、それについては3つの検証のほかに、技術委員会の議論があった上で総合的に考えていきたい」
県民向けの説明会は12月25日にも開かれます。