〈山林に18歳女性遺体遺棄〉別件逮捕の交際相手Aはパンチパーマの既婚者「カネを返さずバックレ」「半グレではない小心者」「6月にLINEのアイコンが…」妻の親族が語ったAの人となり

今年6月から行方不明になっていた東京都江戸川区の会社員、野本結梨香さん(当時18歳)が山梨県小菅村の山林で一部白骨化して見つかった死体遺棄事件で、同区在住の交際男性A(31)=別の横領事件で逮捕、勾留中=の自宅や乗っていた車から野本さんのものと見られる多量の血痕が検出されたことがわかった。男性Aは、この事件で警視庁捜査1課が11月28日に死体遺棄容疑で逮捕した堀俊哉容疑者(30)=千葉県八千代市=とも知人関係で、同課はAが事件全体に関わっている可能性が高いとみて調べを進めている。
Aは年上の女性と結婚していたが、別居しており、今年に入ってから野本さんと親密になったとみられる。この年上女性の親族が集英社オンラインの取材に詳細に証言した。「Aってのは3年前に私の娘と結婚してるんで、私のせがれになるんですけども、もともとはきまじめでいい子でね。ケンカできるような子じゃないんですよ。真面目ってのは、車の窓からタバコを投げ捨てたりするのを見たら『そんなことしちゃだめですよ』って注意できるような子なんですよ」(Aの義父)Aはこの義父や義父の親族と親しく付き合っていたものの、少額の借金を返せずに半年ほど前に姿を消したという。「僕は駐車場をAに貸していたんですが、そのお金を滞納していたんです。僕の親族もAにカネを貸してたんだけど。それを『6月16日に支払います』と言ったっきり行方不明になっちゃったんですよ。それで僕たちも探していたんですよ」(義父)
横領事件で逮捕されているA
「たいした金額じゃないんで、そんなのはよくて。自分の車を貸してガソリンを使い切ったまんまで返そうとしたんで、『ガソリン入れろ』って注意したら『入れてきます』って言ったきり、車を置きっぱなしにしてたんですよ。それを怒ったらそのままバックレてしまった」(義父の親族)義父の前から姿を消したAを探そうと、Aの妹と話しているうちに、野本さんと思しき「18歳の彼女」の存在を知ったという。義父の親族が続ける。「妹はAと同居してたんで、彼女(野本さんと思われる女性)とも会ったことがあると言ってました。探してるうちになんとなく『女と逃げてるな』って思ったんで、妹に聞いたら一時期は若い彼女を家に連れ込んでいたと。どんな女か聞くと『18歳の女』だと言っていました。そういえば6月の頭にAのLINEのアイコンも若い女とのツーショットに変わったんですよ。くっついているカップルみたいな写真ですよ。頭を寄せ合うような感じでその場で撮ったんじゃないですかね。だから『女と逃げてるな』と思ったんですけど。そのころには自分のLINEもブロックされてしまって」
遺体で発見された野本さん(本人SNSより)
義父もAのことをこう心配する。「頭の一つでもかきながら『すいません』って出てくりゃいいって思ってたんだけど、実際は事件起こしてしまった可能性が強いわけだろう? 『警察に行って、やっちゃったもんはやっちゃったんだからちゃんと全部素直に認めちまえ』って言ってやりたいよ」
それにしても、Aは妻とはどうなっているのだろうか。妻は1年以上前にAと別居して、現在は九州で働いているという。「離婚しようという話はあったんだよな。娘も40過ぎて子どももいるし、Aとの間には子どももいないんだから『もうやめなよ』って話はしてたんだけど。それでも連絡取り合って、Aもたまに九州まで会いに行ってたんだよ。でも、いきなり連絡つかなくなっちゃったから『もう終わりだね』なんて娘は言っていた。まあ、嫁が九州に行ったきりだったし、Aも若い女が欲しかったんだろう」Aは4年ほど前に地元の飲み屋でまず義父と知り合い、やがて妻となる女性とも懇意になり、挙式はしなかったが入籍したという。Aはどんな仕事をしていたのだろうか。「もともとおじいちゃんが地元で内装業とか水道屋とかの仕事をやっていて、Aは昔のおじいちゃんの知り合いからそういった仕事をもらってやっているって感じでしたね。おじいちゃんは亡くなって、もういないんですけどね」(義父)
Aの自宅(撮影/集英社オンライン)
しかし、あまり勤勉ではなくカネにもだらしないところがあったという。「だらしないですね。あいつも何かあれば仕事をするんですよ。日当2万円とかになるから10日くらい働いて、溜まった駐車場代を持ってきたりもしてたんですよ。だからお金がなくなると働くんですよ。ただ、『6月16日に駐車場代持っていきます』と言い残したまま、ナシのつぶてだったので、LINEで『お前どうなってんの? 吐いた唾絶対飲まさんぞ』と送ったら既読無視になった。最後に会ったのはゴールデンウィーク後だったかな」(同)Aは外見は“コワモテ”で、酒とカラオケは好きだが、いわゆる「不良」「半グレ」ではなかったと義父はいう。「パンチパーマみたいのあててますけど、いわゆる半グレとかじゃないですよ。小心者ですよ。僕が怒るとシュンってなっちゃう。まあ人はいいわな。頭の回転は速いかな。嫌なことからは逃げてしまうタイプではあるな。飲んでるときは楽しいやつだったよ。あの年代にしては気が利くし、女癖も悪いほうではなかった。だって娘が九州行ってからも何度か行ったりきたりしてたしな」(義父)Aは地元の中学を卒業後、高校に進学したが中退したという。義父が続ける。「高校中退後はいろんな仕事をしたと聞いてます。水道とか便器の取り換え、あとペンキとかもやってましたね。ギャンブルはあんまやらないで、酒が好きでカラオケは大好き。何を歌うかはわからないけど、50曲くらい歌うよ。足が短いってのがコンプレックスで、頭もパンチパーマだったからモテるかどうかはわからないですけど。金は基本飲みに使っちゃうな。一時期はおじいちゃんの遺産が入ったらしくて、娘と遊び歩いていて金回りもよかったんだけどな。それがなくなってからはまたもとの『働いたり働かなかったり』のスタイルに戻ってました」
家賃の滞納が続いていたAがかつて住んでいたマンション(撮影/集英社オンライン)
地元ではAが酒席で酔って暴れたという情報もあったが、それについても義父はこう語った。「あれは暴れたわけじゃない。私と知り合いの女性が話をしているのを見たその女性の連れの男が、無理やり女性の腕を引っ張って連れて行こうとしたんですよ。それをAが『嫌がってんだからやめろよ』と制したところ『なんだとてめーこのやろう。表出ろ』ってことになって。その男は勝手に転んで擦り傷つくったのを『Aに殴られた』って言い出してね。その男に腕を引かれた女性は明らかに嫌がっていましたし、Aは正義感が強いんで揉め事になったって感じです。パクられてはないですよ」
野本さんの死体遺棄容疑で逮捕された堀容疑者についても、義父はうっすらと記憶があるという。
死体遺棄の容疑で逮捕された堀容疑者
「一回ジェットスキーに20人くらいでみんなで行ったときに来てたみたいだけど、でも影が薄い子だったからな。2020年の8月とかだったな。だからそれぐらいからはAとはつるんでたんだな」妹以外にAに身寄りはないのだろうか。Aの自宅近くに住む男性はこう話した。「Aさんについて私が聞いてるのは、もともとおばあちゃんが住んでいた家に3歳ほど離れた妹さんと住むようになったということでした。Aさんきょうだいはお母さんが病気で亡くなり、その後にお父さんも病気で亡くなったと聞いています。Aさん自身は作業着のような服装で朝出かけることもあったのでまったく働いてないわけではないのでしょうが、これまで見かけたのも数える程度です。不定期に働いていたのか、勤務時間がバラバラだったのかもしれません。ふだんから白いワゴン車に乗っていて、駐車場には停めずに自宅前とかに停めていました」別の男性住人はこう語る。「Aのことは知っているよ。家も近いし、何より近所の飲み屋でしょっちゅう顔合わせてたからな。渡世人ぽい人がよくベンツで迎えに来ていて、後輩として可愛がってるんだろうなって思ってたよ。飲み屋でもその人とよく飲んでいて、なんか舎弟でもやってるんだろうかって思っていた」カネにはだらしないが、正義感も強かったというA。野本さんとの間に何があり、堀容疑者と何をしたのか。捜査は山場にさしかかっている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾