大阪西成署の女性警官がロマンス詐欺で逮捕 振込先に自身の銀行口座を使うマヌケぶり

銀行口座名で足がついたというのだから、「マヌケ」としか言いようがない。
相手に恋愛感情を抱かせ、現金をだまし取るロマンス詐欺に関わったとして、現役のオンナ警察官が御用となった。
詐欺容疑で11月28日、佐賀県警捜査2課に逮捕されたのは、大阪府警西成署刑事課薬物対策係の巡査、大谷優璃菜容疑者(25)。
大谷容疑者ら「ロマンス詐欺グループ」は7月24日~8月7日、SNSでカナダ人男性医師を装い、当時、佐賀県小城市在住の50代女性に対し、「イエメンからカナダまでの航空券は日本円で20万円です」「イエメンの病院で患者の世話をしているが、母が入院したため、航空券が必要です」「自分の銀行口座にうまくアクセスできない」とウソのメッセージを送り、20万円を大谷容疑者の銀行口座に振り込ませた。
さらに8月下旬~9月7日、日本人男性ファッションモデルに成りすまし、埼玉県川越市の60代女性に「タイにいて、個人的なコンテストで優勝して賞金5億円を手に入れた」「事務所に見つからないようにあなたの家に送りたい」「一時的に運送会社に配送料を払って欲しい」と虚偽のDMを送信。70万円を大谷容疑者の銀行口座に振り込ませた。
佐賀県の女性は20万円を含む約150万円、埼玉県の女性は70万円を含む約1140万円を、このロマンス詐欺グループにだまし取られていた。
6月21日、佐賀県の被害女性から「SNSで知り合ったカナダ人がトルコ警察に拘束された。解放するためにお金が必要だが、どうすればいいですか」と県警に相談があり、事件が発覚した。
■簡単に足がついたワケ
女性が現金を入金した振込先を県警が確認したところ、口座の名義が「オオタニユリナ」の名前になっていた。そこで現金を引き出した日時を調べ、ATMのそばに設置されている防犯カメラの映像を確認すると、現金を引き出す大谷容疑者の姿が写っていた。
「詐欺グループに加わったいきさつや動機はこれからの調べになる。かけ子がカナダ人や日本人ファッションモデルに成りすまし、巡査が現金を受け取るコマとして使われていたとみている」(捜査事情通)
調べに対し、「詐欺行為に加担したのは事実です」と容疑を認めている。
大谷容疑者は高校時代、柔道選手として活躍。卒業後の2017年、大阪府警に採用された。前任地の豊中署では、地域課と留置管理課に所属。今年3月から西成署で勤務していた。
「警察官が自分の銀行口座を『売る』なんて、ちょっと考えられへん。もともと他人に口座を譲り渡すつもりでつくったら詐欺やし、犯罪に使われることを知りながら詐欺に利用させたら、これも罪にあたる。誰かにだまされたんか、脅されとったんか、カネに困っとったのか。よっぽどのことがあったとしか考えられへん」(府警関係者)
警察官になって6年7カ月。どんな事情があって、ロマンス詐欺グループとの接点が生まれたのか。