戦闘機も使える機体が枯渇してきているとか。
ロシアの政府系メディア、スプートニク通信は2023年11月25日、国営航空機メーカーUAC(ユナイテッドエアクラフトコーポレーション)のチーフデザイナー、セルゲイ・コロトコフ氏による解説という形で、ウクライナ紛争に最新戦闘機MiG-35が投入されていることを明らかにしました。
「まだ採用されてません」ロシア最新戦闘機MiG-35 ウクラ…の画像はこちら >>2013年、エアショーで公開されたMiG-35戦闘機(パブリックドメイン)。
MiG-35は、MiG-29の性能向上モデルで、一見すると非常によく似た外観を有しています。ゆえにNATO(北大西洋条約機構)ではMiG-29に「フルクラム」というコードネームを付けていたため、そこからMiG-35には「フルクラムF」と名付けています。
ただ、中身は一新されており、レーザー誘導兵器の照準・運用も行えるなど、対地攻撃や対艦攻撃にも秀でた多用途戦闘機へと昇華しているのが特徴です。 そのため、ロシアでは本機をユーロファイター「タイフーン」やダッソー「ラファール」、サーブ「グリペン」などといった第4.5世代戦闘機よりも優秀な、第4世代++(第4.5世代+)戦闘機に分類しています。
セルゲイ・コロトコフ氏いわく、MiG-35は空対空戦闘能力に関してはウクライナが保有するどの戦闘機よりも上回っているとのこと。ただ、同機はロシア軍に制式採用されておらず、まだ飛行試験中だとか。それにもかかわらずSVO(特別軍事作戦)に使用されていると明言しています。 なぜ試験中の機体が、早くもウクライナ紛争に投入されたのかというと、同機は、交戦距離に関係なく、ウクライナ領内全域をピンポイント攻撃することが可能な性能を有しているからだとのこと。戦線後方の目標に対しても高精度な攻撃を行うことができるため、最前線における実地テストという形で戦争に投入されたとしています。