冬の味覚「寒ブリ」。新潟県佐渡市で１２月３日、４年ぶりに大漁まつりが開かれましたが、今年は例にないほどの不漁に。なんと寒ブリのいない異例の祭りとなりました。
新型コロナの影響から中止を余儀なくされてきた「佐渡海府寒ブリ大漁まつり」。
今年は４年ぶりの開催となりましたが、漁の安全などを祈る祈願祭の祭壇にまつられたのは“イナダ”です。
本来、寒ブリが泳ぎの着順を競う「寒ブリレース」に登場したのは“ワラサ”。例年、所狭しと寒ブリが並ぶテントには、イカやキハダマグロが。
佐渡の寒ブリ漁は、例年１１月から始まり、遅くとも１２月上旬には最盛期を迎えますが、今シーズン、ここまでに市内全体で７０本ほどの水揚げに留まっています。
【内海府漁業生産組合 本間信俊 組合長】
「昨年度からブリの不漁が続いている。組合としても大変だが、きょうを皮切りにいいことが起きないかなと期待しながら祭りを開催した」
【訪れた人（茨城から）】
「寒ブリが見たくて来た。イナダでした（笑）」
【訪れた人】
「（寒ブリを）期待してきたが、それでもいいものがあれば買って帰りたい」
この日は冷たい雨が降り続く中、約３０００人が来場。ブリのアラ汁は提供できませんでしたが、マグロなどが入った汁物が人気を集めました。
【訪れた人】
「おいしい」
寒ブリの不漁について、５年前まで約５０年にわたり漁師をしてきた清田満茂さんは、温暖化に加え、様々な影響を指摘します。
【元 内海府漁業生産組合漁労長 清田満茂さん】
「例えばセメント工事とか護岸工事とかが影響して、水温が上がって下がりにくいということを言われる。それから藻が生えないとか」
清田さんは、「寒ブリの養殖について考える時期に来ているのではないか」とも話しています。
一方、冬の佐渡の観光資源でもある寒ブリに観光関係者は。
【佐渡汽船 尾渡英生 社長】
「これから寒ブリがとれるのを楽しみに待っている」
一日も早い寒ブリの大漁が待たれます。