富津市の国道で時速94キロ超で車を運転して横転させ、10代の男女3人を死亡させたとして、危険運転致死の罪に問われた当時高校3年だった無職の女(19)=同市=の裁判員裁判の論告求刑公判が4日、千葉地裁(福家康史裁判長)で開かれ、検察側は懲役12年を求刑した。弁護側は懲役6年が相当とした。判決は8日。
起訴状などによると、昨年11月29日未明、最高速度が時速50キロに規制されている同市小久保の国道465号で、時速94キロ以上で軽乗用車を運転し、カーブを曲がりきれず横転させて信号柱などに衝突。同乗のとび職男性=当時(18)=と男子高校生=当時(17)、女子高校生=同=を死亡させたとされる。事故で女も脳挫傷などのけがを負った。
検察側は論告で「非常に危険で無謀な運転。以前から快楽目的で友人らを乗せて高速度で運転していた」と指摘した。女は事故後に知能指数(IQ)が平均よりも低い「境界知能」と診断されたが、検察側は境界知能は運転に大きく影響していないと主張した。
弁護側は、先を見通すことが苦手など、境界知能の特徴が影響したと主張。「以前から友人同士らで、危険な運転を面白がる風潮があった。言葉は足りないが、女なりに内省を深めている」と強調した。
女は最終意見陳述で「全部私の責任で全部私が悪い。一生かけて償う」と述べ、遺族に向かって頭を下げた。