“枯れないお花”としてプレゼントにも人気がある「プリザーブドフラワー」をご存じでしょうか。花店で販売しているほか、雑貨店などでも見かけることがあります。プリザーブドフラワーはなぜ枯れないのでしょうか? 造花やドライフラワーとの違いをご紹介します。
プリザーブドフラワーって何?
プリザーブドフラワーとは、生花に「プリザーブド加工」と呼ばれる保存加工を施した花のことです。プリザーブド加工は、新鮮な生花を特殊な溶液で脱水・脱色し、その後染料で着色し乾燥させて行います。この加工により、花のみずみずしさを保ちつつ、まるで生花のような美しさを長い期間楽しむことができます。
生花は数日で枯れ始め、外観の美しさが損なわれていきますが、プリザーブドフラワーにすることで、花の咲いた状態の美しさを長い保つことができます。造花とは違って、もともとは生花として咲いていた花に加工するので、一輪一輪、その姿は異なります。
プリザーブドフラワーとドライフラワーの違い
同じく生花から加工され、長く楽しめるものに、「ドライフラワー」があります。プリザーブドフラワーとドライフラワーの特徴の違いを比べてみます。
プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは先述のように特殊な溶液で加工します。溶液を購入して、自宅での加工も可能ですが、少し技術が必要です。
しっとりとした花びらの手触りや、生きているかのようなふっくらとした柔らかい質感があります。染色をするため色は自在に加工が可能なので、豊富なカラーバリエーションがあります。生花には存在しない青色のバラなども人気です。
ドライフラワー
咲いている花を乾燥させてドライフラワーにします。特殊な材料は不要で、生花を逆さに吊るしておくことでドライフラワーにできます。ドライフラワーになりやすい花の種類を選べば、比較的簡単に自宅でもつくることができます。
乾燥させるので手触りはカサカサ、ごわごわになります。見た目は、色が落ちるため鮮やかさはなくなり、アンティーク風の色合いになることが多いです。このくすんだ色や風合いがかわいいと最近人気になっています。
プリザーブドフラワーはどのくらいもつの?
飾っている環境にもよりますが、プリザーブドフラワーを飾れる期間(寿命)は、日本だと1年~5年ほどといわれています。湿度や水分を少ない環境であれば、より長い期間飾ることができるようです。
ケースはそのままの方が良い?出した方が良い?
プリザーブドフラワーは「クリアボックス」や「クリアケース」といわれている、プラスチックなどでできたケースに入っていることが多いです。ケースから出して飾るべきなのか、それともそのままケースごと飾るべきなのか悩む方も多いと思いますが、実は決まりはなく、ケースに入れたまま飾るのと、ケースから出して飾るのではそれぞれにメリットとデメリットがあります。
ケースに入れたまま飾る場合
ケースに入れたまま飾るメリットは、まずほこりから守ることができたり、何かが当たって破損することを防ぐことができたりすることです。
プリザーブドフラワーは生花を加工して作っているため繊細で、ちょっとしたことでも傷が付くことや、花びらが割れてしまうことがあります。また、プリザーブドフラワーは生花を着色して作っているため、布などに長い期間触れていると色移りしてしまう可能性もあります。ケースに入っていることで周囲の物とプリザーブドフラワーの接触を防ぎ、色移りを予防できます。
デメリットは、ケースの分だけ距離ができ、花の細部まで観賞しにくいことや、ケースの反射で花がよく見えないことです。
ケースから出して飾る場合
ケースから出して飾る場合のメリットは、花の質感まで伝わりやすいことです。生花の代わりにプリザーブドフラワーを飾りたいという場合は、ケースから外して飾ることで美しさやみずみずしさをより感じることができるでしょう。またケースがない分、スペースをとらずに飾ることができます。
デメリットは、花にほこりがついてしまうので、メンテナンスをする必要があることと、何かに接触して破損してしまうリスクが高まることです。
生花は何日かで枯れてしまいますが、変化する様子やその儚さが魅力とも言えます。プリザーブドフラワーは、手入れが必要なく、花の形を長く楽しむことができることが魅力です。生花もプリザーブドフラワーもそれぞれに魅力があり、プレゼントにもよく選ばれます。贈る相手や状況によって、使い分けてみるのもよいでしょう。
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