「みんなから好かれているな」「あの人の悪い話を聞いたことないな」。あなたの周りに、そんなふうに思わせる魅力的な人っていませんか? 老若男女問わず、誰からも好かれる人の共通点があるとすれば、知っておいて損はありません。
今回は、Je respire代表取締役であり臨床心理士の松島雅美先生に、心理学を交えながら、”人類モテ”の秘けつを解説してもらいたいと思います。
松島先生は、これまでに延べ2万5千人以上のカウンセリングを行ってきたいわばメンタルのスペシャリストです。人の心がどのように動くのか、どうすれば円滑なコミュニケーションにつながるのかを教えてくれます。
第一弾で紹介するポイントは5つ。このちょっとしたコツを知れば、あなたも”人類モテ”に一歩前進! すぐに実践できるような具体例を挙げながら紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
■『人類モテ』の法則5選
人に好かれる、人が寄ってくる人の共通点を、松島先生は次のように話します。
「まずは第一印象。モテる人の共通点は、第一印象で相手を緊張させないような安心感を持っています。第一印象が悪いとその後に好意を持ってもらえるまでがとても大変です。この第一印象で”人類モテ”がはじまると言ってもいいのではないでしょうか」
“安心感”が重要なキーワード。ではこれから、実践できる具体例を順番に説明したいと思います。
■1. 適切なパーソナルスペース
パーソナルスペースとは、他者に侵入されると不快に感じる空間のこと。不快に感じる空間の広さは人によって異なります。
「仲良くなりたいという気持ちが先行し近づきすぎてしまう人もいますが、それほど親しくない人が突然距離を詰めてきたらどうでしょう? 緊張してしまいますよね。まずは相手との距離を1メートル程度あけるようにすれば、不快感を与えることはないでしょう」と、松島先生。
例えば、満員電車やぎゅうぎゅうのエレベーターが不快な理由の一つは、このパーソナルスペースを確保できないことだといいます。
親しくなっていけば自然とパーソナルスペースは縮まっていくはずなので、最初から詰めすぎないことが重要です。
■2. 笑顔と姿勢
猫背でうつむき表情がない人と、真っすぐ背筋が伸びていて笑顔の人、あなたはどちらに魅力を感じるでしょうか? これは間違いなく後者を選ぶ人が多いはず。
「姿勢がいい人の方が、実は”能力が高いように見える”という心理学効果があります。さらに笑顔でいることで能力が高く見えるだけでなく、見ている人の前頭前野が活性化され脳が心地よさを感じることにもつながります」と、松島先生。
とても簡単な印象アップ術なので、これは仕事でもプライベートでも、どんな場面でも役立ちそうですね。
■3. 単純接触を増やす
3つ目は、「単純接触効果」です。これは繰り返し見たり会ったり、接触する回数が増えれば増えるほど警戒心が薄れ、親しみを感じ、次第に好意を持つようになる現象を表します。
例えば営業職の人が、取引先に足しげく通うといったことを見聞きしたことはありませんか? 頻繁に顔を見たり雑談をしたりすることで信頼関係を築き上げるというのは、まさに単純接触による効果。
「接触頻度が高い方が好感を持たれやすいので、仕事に関してはとても有利。ぜひ職場で活用できるといいですね。日常生活においては、挨拶することを欠かさずにするといいでしょう。”この人、いつも挨拶してくれるな”という印象がある人のことを、嫌いな人はいないはずです」
仲良くなりたければ接する回数を増やしましょう。口下手な人でも、まずは挨拶からトライしてみるとよいかもしれません。
■4. 相手の名前を呼ぶ
名前を呼んでから挨拶をする、名前を呼んでから「ありがとう」を言うなど、相手の名前をまず口にすることも効果的なんだとか。
松島先生によれば「これは間違いなく好印象につながり、対人関係をよりよくする方法です。また、明確に自分に言われているという意識にさせる方法なので、相手を褒める場面だけでなく注意するときでも使えますね」とのこと。
これを心理学では『ネームコーリング効果』と言います。覚えてもらっている、関心を持たれていると相手が感じることで承認欲求を満たすことにもつながります。単純接触効果と併せて使えば、さらに効果的かもしれません。
■5. 適度なうなずきをする
静止したままの状態と比べて、うなずきをする人への”好ましさ”と”近づきやすさ”は約4割も上昇することが、北海道大学と山形大学の共同研究によって明らかにされています。
松島先生は「たとえ話すことが苦手でも、相手の話にきちんと耳を傾けうなずくことは難しくありません。相手に好印象を与えるだけでなく、相手から承認してもらいやすくなるなど、自分自身にとってもいい効果が現れます」と、教えてくれました。
以上が、今日から始められる5つのポイントです。
「気持ちを変えることは難しくても、行動は意識することでできるようになります」と、松島先生。大切なのは、少しの心がけ。これらすべてを実践するのが難しくても、ぜひ一つずつチャレンジしてみてくださいね。
高橋もも子 たかはしももこ 雑誌編集部、WEB編集部勤務を経てフリーランスのライターに。エンタメ系のインタビューを中心に、生活に関する時事ネタや単発企画など多ジャンルで執筆中。芸能人の顔と名前を覚えるのが得意です。 Twitter:@m152cm_ この著者の記事一覧はこちら