半導体市況の悪化で…プリント配線基板の製造手がける会社が事業譲渡へ 負債額は約6億6000万円

新潟県田上町の新潟クオリティサプライが新潟地裁より破産法の特別手続きである保全管理命令を受けたことが分かりました。

民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によりますと、新潟クオリティサプライは1992年8月に設立され、自動車・産業機器・LEDなどに使用されるプリント配線基板の製造を手がけていました。業界大手の上場企業を得意先に、自動車のエンジンコントロールをはじめとする車載用の基盤製造を軸に2008年3月期には年売上高約14億5000万円を計上していました。

しかし、売り上げの大半を依存していた主力得意先の発注状況に業績が左右されていたうえ、メーカーの海外移転や生産の内製化によって受注は大幅に減少。2021年3月期に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、得意先工場の稼働率が低下したため、受注が先送りされ、2023年3月期の年売上高は約4億7000万円にまで低下。原材料価格やエネルギーコストの高騰も負担となり、多額の最終赤字を計上していました。

今年4月以降も主力先からの受注が低迷。過年の設備投資により、借入金が年商を上回るなど返済負担も重く、厳しい資金繰りが続くなか自力での事業継続を断念。法的整理を弁護士に一任していました。

今後、スポンサーの選定と事業譲渡などによる事業再生を目指す予定で、負債は金融債務を中心に約6億6000万円に上っているということです。