「料理には愛情が必要」「愛情を込めた手料理」などといわれるように、『料理』と『愛情』は結びつけて語られることが多いです。
2023年2月20日、料理研究家の土井善晴さんはTwitterを更新。
「料理は愛情ですか」という質問に対し、土井さんなりの返信を投稿しています。
「料理は愛情ですが、ただそれだけではありません。もっと広く深く環境に影響を与えるものですね。料理は愛情という言葉が手垢まみれになった現代では、その真意が伝わらなくなって残念です」
料理は愛情かと 聞かれての返信料理は愛情ですが、ただそれだけではありません。もっと広く深く環境に影響を与えるものですね。料理は愛情という言葉が手垢まみれになった現代では、その真意が伝わらなくなって残念です。今なら愛とは何かから考えなおさないといけなくなりました。(善)
「家庭料理は、ご飯を炊いて、具だくさんの汁ものを作れば十分」という、『一汁一菜』の食事スタイルを提唱している、土井さん。
これまで、自分自身や家族が心身ともに健康でいられるように、暮らしのスタイルに合わせて料理をすることの大切さを伝えてきました。
確かに料理をすることは、愛情ゆえの行動であるといえるのでしょう。
しかし、『愛情』という言葉だけがひとり歩きすると、料理の品数や見栄えのよさ、味付けのよさなどばかりが求められ、もっと大切な何かが抜け落ちてしまうのかもしれません。
投稿は反響を呼び、さまざまなコメントが寄せられています。
・『手垢まみれ』って言葉がつきささる。手作りにこだわって磨耗すること、摩耗させることは愛ではないものね。
・とても深い話。「料理は愛情」という言葉の意味を改めて噛みしめるいい機会になった。
・料理することで、自然や生命、生産者とか、いろんなものとつながることができるし、つながってると気付くのも愛だと思う。
・家庭料理を作るようになって30年余り経ちますが、料理って愛情だけじゃない、もっと深いところに意味があると思っています。
「愛とは何かから考えなおさないといけない」…そんな土井さんの問いかけに、考えさせられますね。
[文・構成/grape編集部]