【千葉魂】中村奨吾、新選手会長に 来季10年目、再起の想い 千葉ロッテ

契約更改会見に姿を現した中村奨吾内野手は悔しさを隠そうとはしなかった。2023年シーズンは137試合に出場して打率2割2分0厘、11本塁打、48打点。中村奨吾にとっては満足できる数字ではなかった。
「チームに迷惑をかけた。悔しいシーズンになった。5月はちょっと良かったけど、他はずっと、もがきながらやってきた。なかなか調子を上げることができなかった。今はこの一年の悔しさを来年につなげたい想い」と振り返った。そして満足いく結果が出なかった理由をメディアから問われると「実力、技術不足です!」とキッパリと言い放った。
もがいたシーズンの中でも、キャプテンとしてチームを引っ張った。負けた試合後に野手をベンチ裏のミラールームに集め、語り合ったこともあった。練習には誰よりも早く姿を現し、振り込んだ。それを一年間、休むことなく続けた。その背中を若い選手たちに見せた。
苦しい時に支えとなったのはいつも早くから練習に付き合ってくれる裏方スタッフの人たちの存在だった。「苦しんでいる時にスタッフの皆様に声をかけていただいた。その人たちのためにも、という想いがあった」と感謝の気持ちを述べる。
□ ■ □
プロ10年目の来年は二塁のポジションだけではなく三塁などにも挑戦。新たに選手会長にも就任して挑むシーズンとなる。さらにチームを引っ張る想いと責任感を胸に強い気持ちで挑む。
「10年目は区切りだけど、もう一度、再スタートの気持ち。成績を出して全試合に出るために取り組む。もう一度、鍛え直さないといけない。引き締め直す。自分の中ではまだまだ若いと思っている。常に前向きに色々と試しながらやっていく。ポジションが変わると景色も変わる。チャレンジしていく。振り込んで、走り込んで、練習方法と練習量を増やしながら取り組む」と話す。
21年に優勝マジック3まで行きながら141試合目で夢がついえた悔しさがある。そして今年は本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたクライマックスシリーズファーストステージで延長十回に3点のリードを許しながらその裏に4点を取りサヨナラ勝利するという感動も経験した。優勝を逃した悔しさを忘れずにさらなる感動をファンに提供するために新選手会長がチームを引っ張る。来年もマリーンズの中心には背番号「8」がいる。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)