カレーのとろみ、ひと晩でなくなるのはなぜ? 企業の回答に「そうだったのか」「納得」

カレーがごはんにしっかりと絡まるのは、とろみがあるからです。適度なとろみは、カレーをおいしくするためのポイントといえるでしょう。
作ってすぐの時にはきちんととろみが付いていたはずが、「ひと晩経ってみたらとろみがなくなっていた」という経験はありませんか。なぜこのような事態になるのか、カレールーを始め、さまざまな食品を扱うハウス食品の回答を紹介します。
ひと晩寝かせたカレーのとろみがなくなってしまうのは、とろみのもとになるでんぷんが、アミラーゼという酵素によって分解されてしまうからです。
カレー内にアミラーゼが入ると、少しずつ反応が進んでいきます。調理直後は異変がないように思えても、反応そのものは止まりません。翌朝になる頃には、カレー全体のとろみが失われてしまうという仕組みです。
では、どのような理由でカレーの中にアミラーゼという酵素が入ってしまうのでしょうか。アミラーゼは、ハチミツや唾液に含まれています。具体的には、以下のような状況が考えられるでしょう。
・隠し味にハチミツを入れ、十分に加熱しなかった。
・味見したおたまやスプーンを、そのまま鍋に戻した。
・カレー鍋の前で会話をし、知らないうちに唾が飛んだ。
鍋に入ったのがごく少量の唾液であっても、アミラーゼが含まれている以上、反応は進みます。
アミラーゼは75℃以上で加熱する事で、働きが止まりますが、約70℃程度までなら活発に働くことから、鍋の温度が低いときにルウを加えた場合に、具材やルウ中のアミラーゼがでんぷんに作用して粘性が緩くなることがあります。
ハウス食品 ーより引用
また、アミラーゼの反応には、温度条件も深く関わっているもの。ハウス食品によると「約70℃程度までなら活発に働く」とのことです。75℃以上に加熱した場合に反応が止まるため、アミラーゼが入った後に、十分に加熱されているかどうかもポイントとなるでしょう。
ハウス食品では、とろみがなくなってしまった場合に復活させる方法についても紹介しています。
先ほどもお伝えしたとおり、カレーのとろみのもとはでんぷんです。分解されてしまったでんぷんを、別の形で加えてみてください。具体的には、以下のような材料を使うのがおすすめです。
・片栗粉
・小麦粉
・すりおろしたジャガイモ
好みのとろみ具合になるまで、量を確認しながら入れていきましょう。お玉で全体をかき混ぜながら、ダマにならないよう注意してください。
とろみがなくなってしまったカレーに、残念な思いを抱く人も多いのではないでしょうか。まずはとろみがなくなる原因を知り、正しい対処を心掛けてみてください。それでも対応できなかった場合は、新たにとろみを付ければ大丈夫です。
企業から寄せられた情報も活かして、おいしいカレーを楽しんでみてください。
[文・構成/grape編集部]