札幌西高囲碁将棋部 屈指の「チーム力」で全国制覇目指す…みんなでやろうトライ報知

藤井聡太八冠の華々しい活躍で空前の将棋ブームが続いているが、高校生棋士たちの戦いも熱い。札幌西の囲碁将棋部は、5月の全道高校将棋選手権(北見)で男子団体2連覇。8月の全国高校選手権(鹿児島)でも過去最高の3位と大健闘した。本道屈指の「チーム力」で来年の全国制覇を目指す。
「観る将」が2023ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に入るなど、またまた将棋界が沸いた一年。道内では札幌西が目覚ましい活躍を見せた。全道高校将棋選手権の男子団体(小西、湯川、石井)で2連覇。全国高校選手権では準決勝で優勝校の横浜(神奈川)に惜敗したものの、過去最高の3位と躍進した。
鉄道研究部と共用で使う部室に、しかし、張り詰めた空気はない。新部長の湯川いわく「対局したり、対局を見て意見を言ったり、将棋の本を読んだり、勉強したり…。自由に、和気あいあいとやってます」。それが札幌西の伝統。狭くとも和やかな空間に駒音を響かせ、先輩も後輩も気兼ねなく将棋を楽しんでいる。
とはいえ、大会での結束力は強固だ。3人でチームを組み、一斉に対局する団体戦。1人が早々と負けてしまえば、隣で戦うメンバーには「自分も負けたら終わる」という重圧がかかってくる。そんな負担を少しでも減らすため、湯川は「仲間のためにできるだけ粘る」ことがカギだという。
受験に備えて3年生は抜けたが、同校の存在感は個人戦でも際立つ。11月の全道高校新人戦で「三間飛車」を主戦法とする湯川が優勝、来年1月の全国切符をつかんだ。石井も3位、田口も7位。新井隆彰顧問(49)によると複数がトップ10に入ったのは札幌西だけだった。勝負の来夏へ向け、前部長の小西は「全国優勝を狙えるチーム力」と新布陣のポテンシャルに期待する。ほとんどが国公立大を志望する屈指の進学校が、頭脳と粘りで頂点を目指す。
(石井 睦)