自閉症の男児に暴力振るった認知行動療法士に実刑判決 ストレスが要因か

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発語がなく、被害について打ち明けることができなかった男児。母親が監視カメラを設置し犯行を暴いていたことを、『The Straits Times』などシンガポールのメディアが伝えている。

シンガポールで暮らすAくん(9)は4歳の頃に重度の自閉症と診断され、今も話ができず、気持ちを表現することもできない。そこで家族と親しくしていた認知行動療法士の女(33)に頼り、自宅で個人セッションを受けていた。
両親は女を信用し、安心してセッションを任せていたが、2020年6月にAくんの体にできたあざを見て不信感を抱いた。
しかし、女がAくんを叩くなどした証拠はない。両親は「不注意が原因で怪我をしたのだろう」と考えることにしたが、翌月には左腕にも赤いあざができたため、「やっぱり女が怪しい」と疑うようになった。

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Aくんが暴行を受けた可能性を考えた母親は、セッションに使う寝室に監視カメラを設置。その後に映像を確認したところ、女がAくんの腕や口元を叩く、また首をつかんで額を叩くなどする様子が映っていたため、警察に被害届を提出した。
女は妊娠中で1歳の息子もいるというが、Aくんに対する暴力を認めたため、12月12日に3週間の服役を命じられた。
Aくんは暴行被害が発覚するまで、5年にわたって女によるセッションを受けていた。他にも6歳の自閉症児が被害を受けていたことが分かっているが、詳細は報じられなかった。

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弁護士によると、女は犯行当時、深刻なストレスにさらされていたのだという。母親になることを強く望んでいたが子宮筋腫が複数できていることが分かり、担当医から「妊娠に影響が出るかもしれない」と告げられていたからだ。
それが犯行の要因になった可能性を弁護士は示唆したが、被害を打ち明けることができないAくんを苦しめた罪は消えなかった。