大自然の芸術 間近で見る大迫力の流氷…小清水町・あの街行く北海道

オホーツク海に面した小清水町に、間もなく流氷がやってくる。冬にしか見られないダイナミックな大自然の芸術は、雄大かつ幻想的。その迫力を味わえるスポットを紹介する。
はるか北方のロシア沿岸で生まれた氷の塊は、徐々に大きくなりながら南下。例年だと1月下旬に肉眼で見え始め、2月中に沿岸へ流れ着く。接岸しても同じ所にとどまるわけではなく、風の向きや強さによって生き物のように移動し、刻々と姿形を変えていく。
そんな自然美を楽しめる定番スポットは、JR浜小清水駅から徒歩5分の場所にあるフレトイ展望台だ。小高い丘の上にあるピラミッド型の展望台から見渡せば、海を覆い尽くす真っ白な絶景が広がり、晴れていれば知床連山も眺めることができる。
穴場スポットといえば、JR止別(やむべつ)駅に近い「止別海岸治山の森・遊歩道」の見晴台だ。遊歩道の入り口から木漏れ日が美しい森の中を進めば、5分で到着。接岸した流氷が目の前に広がり、知床連山もさらに間近で迫力を感じることができる。
なお、遊歩道は除雪されていないため、長靴やスノーシューが必要。雪で案内板や経路が埋もれていることもあるため、1~3月はスノーシューを使ったガイドツアーも展開している。予約は道の駅「はなやか小清水」の隣にあるツーリストセンター(TEL0152・67・5120)へ。
☆小清水町観光協会・湯浅史美事務局長(47)「2月に北向きの強風が吹くとオホーツク海に一斉に接岸する流氷は、いつ見ても圧倒される迫力があります。その流氷を間近で見られる海岸スノーシューは大人気のアクティビティー。一生に一度かもしれない体験をお楽しみ下さい。また、流氷の上で獲物を狙う世界最大級のオオワシやオジロワシ、雪に覆われた森の中を飛び交う真っ白いシマエナガなど、バードウォッチングもお勧めです」
◆小清水町 1919年(大正8年)に斜里村(現斜里町)から分村し、小清水村となる。53年に町制施行。北海道東北部に位置し、北はオホーツク海、東は斜里町、清里町、西は網走市、大空町、南は弟子屈町と接している。総面積は286.89平方キロメートル。ラムサール条約指定の濤沸湖にはオオハクチョウなど多くの野鳥が飛来する。人口4423人(12月1日現在)。