“借り入れ”“売却準備説”も浮上中!ビックモーター創業者“60億円”豪邸の登記簿に異変

修理費水増しによる保険金不正請求、除草剤を散布し店舗前の街路樹が枯死、社内のパワハラなど、2023年に複数の不祥事が立て続けに起きた中古車販売大手の株式会社ビッグモーター。年の瀬にも、警察の捜査が進められていた。
「12月17日に、全国各地にあるビッグモーターの店舗前で街路樹が“枯死”していたり伐採されていた問題で、警視庁と神奈川県警が兼重宏一・前副社長の東京都内の自宅などを器物損壊容疑で家宅捜索に入りました。宏一前副社長は、創業者である兼重宏行・前社長の長男で、“パワハラLINE”などが報じられ、大きな批判を集めました。
警察は前副社長の自宅のほか、トランクルームなども捜索し、携帯電話やパソコンを押収しています。複数の大手損保会社を巻き込んだ保険金不正請求問題は決着を見ておらず、依然として騒動の余波がどれほどになるのか見通せない状況が続いています」(全国紙社会部記者)
そんななか、兼重前社長の大豪邸に異変が起きていた。2020年に兼重前社長は、都内有数の高級住宅地に地上2階、地下1階建て、噴水や茶室もある自宅を建設。土地と建物はいずれも兼重前社長父子の実質的な資産管理会社の名義で購入されており、両方合わせると少なくとも60億円ほどになる大豪邸と報じられている。
「兼重前社長の邸宅の土地は470坪ほどで、このエリアの路線価は坪600万円前後。土地だけでも50億円近くあります。また、かつてソニー創業者の邸宅があった土地としても知られています。その兼重前社長の邸宅に、2023年12月18日付で建物の登記簿で所有権保存登記が行われていたのです」(経済誌記者)
所有権保存登記は、所有権を明確にするものだ。都内の不動産業者はこう話す。
「所有権保存登記は、権利部(甲区欄)に所有者として名前を入れる登記になります。権利部は、権利に関する登記を記録し、その不動産の権利関係を明確に示すものです。具体的には、所有者の住所・氏名・登記の目的・取得年月日と取得原因を記録しますが、登記簿に保存することで、所有者は自分の所有権を主張できるようになるわけです。
所有権保存登記は法的な義務ではなく、お金に余裕がある人ならば、必要なければ登記しない人もいます。ただ、登記しておかないと、自分の土地や建物であることを証明できないので、物件の売却ができない、住宅ローンなどの融資を受けられないといったデメリットがあります」
では、兼重前社長はなぜこのタイミングにわざわざ登記を行ったのだろうか。
「一般論ですが、土地の取得や建物の建設からある程度時間が経ったタイミングで所有権保存登記を行ったことは、所有者がこの物件を使って近く大きな借り入れを行うか、物件そのものの売却を検討していることが考えられます」(前出・不動産業者)
ビッグモーター社の再建には、大手総合商社の伊藤忠商事などが名乗りを上げ、会社の分割なども囁かれ注目が集まっている。兼重前社長父子には、どのような2024年が待っているのだろうか。