ララがいるだけで 右半身まひの子猫を家族で介護 飼い主「幸せなんだと今なら思える」

【宜野湾】右半身まひの子猫「ララ」が仲間笑花(えみか)さん(12)=宜野湾市立はごろも小6年=の家に来て約3年半になる。来た当初、ララは寝たきり。口元に餌を運び、トイレのたびにお尻を洗う毎日で、仲間さんは「この子は本当に幸せかな」と考え込むこともあった。3カ月後、ララは壁にもたれて立ち上がった。今は何とか自力で歩く。「幸せなんだと今なら思える」。でも、もし、寝たきりが続いていたら? 22日の「猫の日」を前に聞いてみた。(中部報道部・平島夏実)
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1週間の入院で一命を取り留めると、仲間家で付きっきりの介護が始まった。食事とトイレの助けがいるだけでなく、人一倍の寂しがり屋。ケージの中だと鳴きやまないため、膝に乗せてあやした。祖母は自分用に買った美肌オイルでララをマッサージ。おなかを支え、歩行練習もした。
「一生懸命に生きようとしているけど…、ずっとこのままだったらかわいそう」。仲間さんの頭に、安楽死の3文字がよぎった。

介護して3カ月。ララの首が据わった。続いて右手が、猫じゃらしに向かって伸びるようになった。壁にもたれれば立ち上がれる。だらんと下がっていた尻尾は、うれしいと振り回すようになった。「今日のララ、どうだった?」が家族の会話の定番になった。
中でも、よく晴れた日の「猫パンチ事件」は忘れられない。ララは通りかかった野良猫によろよろと近づき、転びながらパンチした。野良猫が驚いて去ると、パンチが届いていなかったのに勝ち誇った表情だったという。
「転びそうになるとくるくる回る。そうやってバランスを取っているみたい」「おばあちゃんの体調が悪い時、こんなってそばにくっついてた」「よくやるのが、高い場所からみんなを見下ろして前足をそろえるポーズ。『私が1番』って言ってる」-。仲間さんはララのまねが止まらない。
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仲間さんがララを主人公にした作文「自分らしく生きる猫」は、2022年度「動物愛護の作文コンテスト」小学生の部で1等賞に輝いた。
作文を公開している日本動物福祉協会のサイトはこちらから