歴代内閣「退陣目前の支持率」一斉調査でみえた岸田政権の末期状態…嫌われっぷりは麻生首相並み、さらに低空だったレジェンドは?

岸田内閣の内閣支持率が危機的な状況に陥っている。各種、新聞やテレビの世論調査では、政権支持率は軒並み20%ほどに。特に低く出た毎日新聞の世論調査では、なんと支持率16%、不支持率は79%だった。政治部記者はこう語る。
「支持率低下について記者に問われたとき、どの首相も『支持率に一喜一憂しない』と答えるのがお約束になっています。しかし、支持率の高低は政権の求心力に直結しますから、やはり気にしているのが現実。もちろん岸田首相も例外ではありません」
過去に低支持率に苦しんだ結果、政権を追われた首相はたくさん。そこで、過去の内閣の退陣直前の最終的な支持率を調べてみた。
対象は2000年以降の内閣で(首相の死去によって交代した小渕内閣は除く)、世論調査はNHKのものと、支持率が比較的高く出る傾向にある読売新聞と、低く出る傾向にある毎日新聞で調べた。
すると、すでに岸田首相の不人気っぷりは、“退陣”レベルに達していることがわかった。支持率ひと桁を記録した“レジェンド”森首相(当時、以下同)にはまだまだ及ばないが、安倍首相や菅義偉首相をこえて、麻生首相や野田首相の末期に近い水準に。
「とはいえ、退陣にはきっかけが必要。就任以来、低支持率に苦しめられた森首相は国会での予算成立を花道に退陣、野田首相は1年近く支持率20~30%台をさ迷った挙句、衆議院選挙に惨敗。自民党との政権交代とともに、退陣しました」(同前・政治部記者)
永田町では、岸田首相の退陣のタイミングとして、2024年度予算が成立する来年3月や、自民党総裁選が行われる来年秋がささやかれているが……。
■2000年以降の内閣の退陣直前の支持率と不支持率
■森喜朗(~2001年4月26日)
NHK:支持率7%(9%)、不支持率:81%(82%)読売新聞:支持率8.6%(19.2%)、不支持率:82.4%(70.4%)毎日新聞:支持率9%(14%)、不支持率:75%(62%)
■小泉純一郎(~2006年9月26日)
NHK:支持率51%(46%)、不支持率:39%(41%)読売新聞:支持率53.0%(51.1%)、不支持率:36.5%(39.2%)毎日新聞:支持率45%(44%)、不支持率:37%(40%)
■安倍晋三(~2007年9月26日)
NHK:支持率34%(29%)、不支持率:55%(58%)読売新聞:支持率29.0%(27.2%)、不支持率:60.7%(63.7%)毎日新聞:支持率33%(22%)、不支持率:52%(65%)
■福田康夫(~2008年9月24日)
NHK:支持率20%(33%)、不支持率:72%(58%)読売新聞:支持率28.3%(26.6%)、不支持率:59.7%(61.3%)毎日新聞:支持率25%(22%)、不支持率:52%(54%)
■麻生太郎(~2009年9月16日)
NHK:支持率15%(23%)、不支持率:74%(64%)読売新聞:支持率22.2%(24.7%)、不支持率:69.1%(64.3%)毎日新聞:支持率20%(17%)、不支持率:60%(67%)
■鳩山由紀夫(~2010年6月8日)
NHK:支持率21%(32%)、不支持率:68%(56%)読売新聞:支持率19%(24%)、不支持率:75%(67%)毎日新聞:支持率20%(23%)、不支持率:67%(62%)
■菅直人(~2011年9月2日)
NHK:支持率18%(16%)、不支持率:65%(68%)読売新聞:支持率18%(24%)、不支持率:72%(63%)毎日新聞:支持率19%(24%)、不支持率:56%(57%)
■野田佳彦(~2012年12月26日)
NHK:支持率20%(23%)、不支持率:64%(59%)読売新聞:支持率20%(19%)、不支持率:70%(68%)毎日新聞:支持率23%(25%)、不支持率:54%(53%)
■安倍晋三(~2020年9月16日)
NHK:支持率34%(36%)、不支持率:47%(45%)読売新聞:支持率52%(37%)、不支持率:38%(54%)毎日新聞:支持率34%(32%)、不支持率:59%(60%)
■菅義偉(~2021年10月4日)
NHK:支持率30%(29%)、不支持率:50%(52%)読売新聞:支持率31%(35%)、不支持率:57%(54%)毎日新聞:支持率37%(26%)、不支持率:55%(66%)
■岸田文雄(2023年12月24日時点の最新の支持率)
NHK:支持率23%(29%)、不支持率:58%(52%)読売新聞:支持率25%(24%)、不支持率:63%(62%)毎日新聞:支持率16%(21%)、不支持率:79%(74%)
※退陣前の最新の世論調査の支持率と不支持率。NHK、読売新聞、毎日新聞で、それぞれ世論調査の実施時期や頻度は異なる。( )はその前の調査の結果。選挙期間中に世論調査が複数回行われた場合、最新回のみ反映し、( )内は選挙期間より前の最新の調査結果を反映している。内閣名ではなく、首相名を表記。敬称略