「くしゃみを我慢すると命を落とす危険あり」 イギリス医学誌が報告書を公開

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ある男性がくしゃみを我慢したために、気管に穴が開くという事態に見舞われた。イギリスの医学誌が「くしゃみを無理に我慢すると命を落とす危険がある」という報告書をまとめたことを、『NewYorkPost 』が報じている。

イギリスの医学誌である『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』が、実際に起こった事案から「くしゃみを我慢すると命に危険を及ぼす事態に陥る」という内容の報告書を公開した。
同報告書によると、あるアレルギーを持つ男性(30)が運転中にくしゃみが出そうになり、口と鼻を塞ぎ無理やり抑えようとしたところ、気管が破裂した。圧迫された空気が胸と首に送られて強い衝撃となり、気管に亀裂が生じたのだと推測されている。
また報告書には、口と鼻を閉じた場合、男性の喉に通常の20倍の気圧がかかっていただろうとも記されている。

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男性はくしゃみの後、突然首に痛みを感じて病院を訪れていた。診察した医師によると、CTスキャンの結果から男性の首に2ミリの亀裂が2ヶ所と、5ミリの亀裂1ヶ所が見つかったという。
甲状腺を切除する手術の際に呼吸確保のチューブを挿入すると、同様の合併症が起こるケースがあるらしいが、くしゃみが原因で亀裂が入った例は同病院では初めてだった。
この男性のケースは、裂けた気管から呼吸障害や感染症を引き起こす危険があるほか、肺に近ければ手術が必要だったかもしれないと推測されている。
男性は治療のため2日間の入院を余儀なくされたが、くしゃみを和らげる抗アレルギー薬を処方され、退院できたそうだ。

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このような例は、2018年にもあったという。同じくイギリスで、男性(当時34)が口と鼻を塞いでくしゃみを抑えたところ、「パチパチ」という破裂音がして、喉が腫れ始めた。
男性はその後に声がかれ、食べ物がうまく飲み込めなくなったため、診察を受けた。当初、食道の自然破裂であるボーアハーベ症候群だと考えられていた。これは通常では嘔吐の繰り返しや胸痛、息切れという症状が伴うという。
ところが症状が異なることや、胸部で「パチパチ」という気泡音が聞こえたことから、喉の組織の亀裂による空気音と判定されたのだという。
専門家は、「口と鼻を塞いでくしゃみを抑えるのは危険な行為であり、避けるべきだ」と注意を呼び掛けている。くしゃみの圧力により、胸に空気がたまる症状や、鼓膜の損傷、さらには大脳の破裂などの多くの合併症を引き起こす可能性があるそうだ。