〈江戸川・18歳女性死体遺棄〉逮捕から1カ月…パンチパーマ男と共犯の“いいなり同級生”それぞれの親の告白「裁判が終わるまで私からは会うつもりはありません」(母)「不起訴になるかもしれないし…なんとも言えないね」(義父)

「私から息子に会うつもりはありません」。今年6月に失踪した東京都江戸川区の野本結梨香さん(当時18歳)が山梨県の山林で白骨化して見つかってから1ヵ月。警視庁に死体遺棄容疑で逮捕された堀俊哉容疑者(30)=千葉県八千代市=の母親は記者に決然と言い切った。事件は野本さんの交際相手だったパンチパーマ頭の水道工事業者、渥美遼馬容疑者(31)=江戸川区=が主導し、同級生で仕事仲間でもあった堀容疑者を巻き込んで進められたとみられる。加害者家族にも、厳しい年の瀬が押し寄せている。
「(息子が)逮捕されてもう一カ月ですね。私のほうには警察からも弁護士からも、本人からの手紙なども何の連絡もきていません。私のほうからは会いに行くつもりはありません。なぜって……。人が亡くなっているんですよ。人が亡くなるような事件に関わってしまって……。やったことがやったことですから、はっきりするまで会うつもりはないんです」堀容疑者の母親の決意は固かった。「“はっきり”というのは裁判が終わるなど、事件のことがはっきりするまでという意味です。そのうえで息子から『会いたい』と意思表示があれば、そのときは会おうかと思っています。これまで、息子に対して私はやることはすべてやってきました。教えるべきことは教えてきました。息子はもう30歳です。だから、私からは会うつもりはありません」
堀容疑者(撮影/集英社オンライン)
堀容疑者は渥美容疑者と都内の公立高校で同級生だった。「今思えばですが、あの子(渥美容疑者)と付き合いだすようになって、問題が多発していたように思います。ある時期から何度か尻拭いをしてきましたから、おそらくそのころから(渥美容疑者と)付き合い出したんだろうなって……。もうずいぶん前なので詳しくは覚えてないんですけど、7、8年前に息子の名義で車を買ったことがあるんです。息子は自分の車は持っていたし、どう考えても必要のない車でした」その車は途中から駐車場に放置されたままになり、いつの間にか支払いの請求も母親のもとに届くようになったという。「友達が乗るための車として買ったとか、友達に言われるがまま買ったとかそんなことだと思います。今回も大変なこと(死体遺棄)を手伝わされて運が悪いと思うところもありますが、要は自分の弱さですから。私からは会うつもりはありません」母親がいぶかしむように、堀容疑者が渥美容疑者の「言いなり」に使われる様子を仕事仲間は見ており、逮捕当時の取材でこう証言していた。「この2人は同じ都立高校の同級生で、堀は渥美のおじいちゃんがやってた会社で防水工事の勉強をしたみたいだね。弟子といえば弟子でしょう。堀は気が弱いところがあって、渥美の意見は絶対みたいに聞いてるところがあったね。陰では渥美の悪口言ったりすることはあっても、結局は便利屋扱いされてた。渥美は自分がトップにいて、下を使ってお金が入ってくるような会社にしたかったんだろう。自分は楽して動かないから」(堀容疑者の仕事仲間)
渥美容疑者(知人提供)
そんな渥美容疑者も、早くに亡くした両親の話題になると涙もろくなったという。「飲んでるときに親父の話になると涙を流してたよ。お父さんも防水屋でコーキングのシールを打ったりしてたみたいで、やつがシールを打つのに使う手製のコテみたいなやつはお父さんの形見のはずだよ。やつのシール打ちは、すげえきれいでしたよ。技術もお父さん仕込みかわからないですけど、腕はよかった」(前同)
渥美容疑者の面倒を見ていたのが、結婚した年上女性Aさんの義父だった。義父は今も渥美容疑者を気にかけ、接見禁止が解除されれば面会に行くつもりだという。義父は逮捕後の報道内容には納得がいかない様子だった。「報道がひどすぎるよね。途中でカットされて、彼のいい面が切られていたり、なんかすべてが本人を悪いよう悪いよう報じられているし。はっきり言ってさ、まだ殺人(事件)と決まったわけじゃないじゃない。これからどういう風になるかはわからないし、不起訴になるかもしれないし…。なんとも言えないね。自分としては一度結んだ縁なんでかわいい面があるんですよ」
筋トレが趣味だった渥美容疑者(本人SNSより)
しかし、車内から検出された野本さんの血痕について、渥美容疑者は「仲間とケンカした」と虚偽の供述をしたことが明らかになっている。義父は事件後、渥美容疑者と同居していた妹にも会ったという。「1週間から10日くらい前に会いました。僕のところに車の(横領で渥美容疑者が逮捕された件)ときに担当していた遼馬の弁護士が『本人が、目が悪いから家にあるメガネを差し入れしてほしいと言っている』と連絡をしてきたんです。それを妹に伝えに行くと、『ご迷惑をおかけしました、ごめんなさい』と言ってました。妹には事件の話は何もしていません。結局家にメガネはなくてコンタクトを弁護士に送ったんですよ」野本さんの死因はまだはっきりしていない。警視庁の捜査が事件の核心を抉り出すのは、年明けになりそうだ。
小松川警察署(撮影/集英社オンライン)
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾