新型コロナウイルスの患者を受け入れる病床を確保するための国の交付金「病床確保料」について、沖縄県内の医療機関で2020~21年度、少なくとも約24億円を国に過大請求していたことが21日、分かった。会計検査院が昨年11月、誤った算定で不適切な交付があったと指摘。厚生労働省が都道府県に調べるよう求めていた。県内の医療機関が昨年12月までに自主点検し、発覚。県の実地調査を経て3月中に精算し、国に返還する方針だ。
関連記事コロナ交付金103事業141億円 県20年度 商工労働部56億円 経済と医療で7割 |・・・ 新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年度、コロナ対応として措置された国の地方創生臨時交付金について、・・・www.okinawatimes.co.jp 病床確保料は、コロナ患者受け入れのためにベッドを空き状態にすると支払われる。1日1床当たりの上限額があり、医療機関や病床の種別などによって細かく分けられ、県内では1万6千~43万6千円となっている。
県保健医療部などによると、過去2年間にさかのぼって県内31の重点医療機関などが自主点検したところ、少なくとも約24億円を過大請求していた。
ベッドが空き状態になる患者の退院日は病床確保料に該当しないが、誤って申請するケースが多く見つかったという。この場合、患者を受け入れた際に発生する診療報酬と、病床確保料が二重計上となる。
県の担当者は「感染拡大の中、度重なる国の制度改正を十分に理解できなかったことが一因だが、適切ではない」とし、速やかに国に返還するとした。
(社会部・平良孝陽)