富士山の山頂は何県か知ってる? ヒント「静岡県でも山梨県でもない」

2月23日は「富士山の日」。「2・2・3」が「ふじさん」や「ふじみ」と読めることから、富士山が位置する静岡県と山梨県によって2009年に制定された記念日です。
ところで「富士山は何県にある?」と聞かれたら、みなさんはどう答えますか。「静岡県」か「山梨県」と回答する人が多いでしょうが、じつはどちらも不正解。富士山は静岡県と山梨県に跨る山であり、所在地を問われた場合の正答は「静岡県と山梨県」となります。
では、多くの登山者が目指す「富士山の山頂」も両県にあるのでしょうか。結論から言えばノー。いまだに、富士山の山頂が何県に該当するのかは定められていません。
昭和四十九年の最高裁判決により、富士山八合目から山頂の土地は、富士山本宮浅間大社の所有が確定しているが、山梨、静岡両県の県境が未確定で土地表示がないため、現在も登記がなされていない。
衆議院ホームページーより引用
富士山の8合目より上が山梨県に属するのか、はたまた静岡県にあたるのかという論争は、現在まで続いており決着が付いていないのです。
その証拠に、静岡大学防災総合センターが公開している『富士山ガイダンス2016』 によると、途中の山道までは登山口の位置によって、静岡県もしくは山梨県が管理者となっています。しかし山頂に差し掛かる「山頂周回線歩道」の管理者は「環境省」となっているのです。
※写真はイメージ
ご存じのとおり、富士山は世界遺産に登録されている山です。じつはここにも、意外と知られていない事実があります。

多くの人が富士山という1つの山が、世界遺産に登録されていると考えるでしょう。しかし実際は、富士山の構成資産と呼ばれる25箇所のスポットをすべて合わせて、世界遺産として登録されています。
富士山本宮浅間大社を始めとする各神社や湖、池、滝などのすべてが、登録上では富士山の一部なのです。
※写真はイメージ
富士山にまつわるあまり知られていない豆知識には、ほかにも「富士山にはいくつかの禁止事項がある」というものがあります。以下でまとめて紹介します。
動植物の採取
溶岩の持ち出し
落書き
動物の放し飼い
テントの設営
たき火
富士山登山オフィシャルサイトーより引用
富士山では上記の行為すべてが禁止です。富士山は5合目から山頂までのほとんどが「特別保護地区」と定められており、景観や生態系保守の観点から国の保護を受けています。建造物はもちろんのこと、石や岩なども落書きの保護対象です。看板にシールを貼る行為も禁止されているため、注意してください。
日本のシンボルでありながら、意外と知られていない事実の数々。ほかにも富士山にまつわる雑学は数多くあります。気になったあなたはぜひ調べてみてください。
[文・構成/grape編集部]