海上自衛隊の操縦士などを育成する海自下総教育航空群は9日、拠点の下総航空基地(柏市)で今年初の訓練飛行を行った。飛行前には隊員約400人が格納庫に集合し、能登半島地震の犠牲者に黙とう。有事へ備える思いを新たに気を引き締めた。
訓練飛行前の式典は、昨年9月に完成した第4格納庫で行われ、12月着任の尾畑典生・群司令が「周辺国が軍事力を大幅に増強、ミサイル発射を活発化させるなど、わが国は戦後最も厳しい安全保障環境にある」と現状を分析。「精強な搭乗員育成の重要性を再認識してほしい」と訴えた。
初訓練飛行にはP-3C型航空機2機を使用。操縦士や航空士、訓練学生ら計27人の隊員が乗り込んで配置に就いた。航空機はエンジン音を響かせ滑走路内をゆっくりと周回した後、消火訓練に当たる消防車2台が放水のアーチを描く中、太平洋方面の空に向かい飛び立った。