消火しながらの捜索…“消防隊”が見た被災地の現状 地震時には火の元に注意を「コンロや暖房消して」

地震・津波・火災により大きな被害を出した石川県では、新潟県内の消防隊員が新潟県大隊として救助活動などに当たっています。現地で隊員をまとめていた大隊長が被災地の現状について語りました。

新潟市中央区の新潟市消防局で1月12日、被災地での活動について報告したのは石川県で県内から派遣された隊員をまとめていた山内大祐大隊長です。

【新潟県大隊 山内大祐 大隊長】
「家は潰れているし、電柱は倒れている。そんなところも多々あった」

県内の19の消防本部は新潟県大隊として、1月1日から隊員を石川県に派遣し、現在も行方不明者の捜索などに当たっています。

現地では群馬・岐阜・和歌山の隊員とともに活動し、これまでに4人を救助。

その救助活動を阻んだのは、度重なる地震や雨などによる道路の寸断でした。

【新潟県大隊 山内大祐 大隊長】
「前日に車両が通行できた道が翌日、土砂崩れでふさがっているというのが毎日のようにあった」

消防車両が通れず、小型車両や徒歩に切り替えて現場に向かうこともあったため、円滑な救助に向けドローンの活用なども検討したいと話します。

【新潟県大隊 山内大祐 大隊長】
「もし可能であれば、陸路の情報もそうだが、ドローンを使って上空から『ここを通れば進出できるかな』と、そういったものをうまく使いながらやっていければいいかなと」

その一方で、現場に到着しても捜索活動に専念できない状況もあったといいます。

輪島市名舟町では土砂災害で家屋が倒壊し、火災も発生。消火作業をしながらの捜索は困難を極めました。そのため…

【新潟県大隊 山内大祐 大隊長】
「揺れによって火災が起こるケースは多々あると思う。時間帯が夕方だったので、一つ気を付けていただきたいのは調理中。揺れがあったらコンロを止める。暖房器具は消す」

名舟町の火災の原因は分かっていませんが、山内大隊長は地震の際には身の安全を確保した上で火の元を確認してほしいと呼びかけています。