東京・墨田区が石川・輪島市に救援物資と職員を派遣 区の防災備蓄の一部を提供…区内小学生からの提案に山本亨区長「すみだの子どもたちからのエールを」

能登半島地震の派生から2週間が経過した15日、東京・墨田区が大きな被害を受けた被災地の1つ、石川・輪島市に救援物資を送った。区内小学校の生徒からの提案もあり、区の防災備蓄の一部を提供することになった。午前10時すぎからの派遣隊の出発式で、山本亨区長は「現地の皆さんに寄り添った対応をしていただき、墨田区からの思いを届けて欲しい」と訓示。 第一寺島小学校から6年生3人も代表で駆けつけ、被災者への激励の手紙を派遣隊に託した。
墨田区は輪島市と災害協定を締結していないものの、締結先である福井県福井市の仲立ちにより、輪島市から要請があったことで急きょ支援を決めた。防災課長ら2人に加え、保健計画課などからも計4人の職員も派遣。お米1万食や飲料水1000本、エアマット100個、大人用おむつ約3000枚など15品目を4tトラックに積み込み、この日までに富山県富山市内に入り、同市内に宿泊後、16日に現地入りして救援物資を渡す。トラックは一般社団法人東京都トラック協会墨田支部が運転手の派遣とともに全面協力する形となった。
今回の墨田区の被災地支援にあたっては、第一寺島小学校の生徒から「地震のニュースを聞いて何かできないか」との声が区に届けられ、区も防災備蓄の一部を届けることを決めた。訓示のなかで山本区長は「支援物資とともに、すみだの子どもたちからの輪島市の皆さんへのエールを届けてください」と話した。
墨田区は1923年の関東大震災で壊滅的被害を受け、45年の東京大空襲でも区の区域7割が廃墟に。震災・戦災を乗り越えて復興と発展をしてきただけに、被災地支援や防災への意識が高いことでも知られる。