残業時間が最も多い職種は? 平均は月間21.9時間【正社員1万5000人調査】

転職サービス「doda」は1月15日、「平均残業時間」に関する調査結果を発表した。調査は2023年8月23日~9月1日、20~59歳の正社員15,000人を対象にインターネットで行われた。
○平均残業時間は21.9時間/月、1日当たり1時間程度

2023年4~6月の平均残業時間は21.9時間/月(以下同じ)と、前回から0.3時間減少。1カ月の実働日数を20日とすると、単純計算で1日当たり1時間程度の残業が行われているということに。
○残業時間が少ない職種

職種別で見ると、残業時間が最も少ない職種は、前回8位の「一般事務」で10.6時間(前回比-2.7時間)。次いで「秘書/受付」(11.4時間)、「医療事務」(12.0時間)、「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」(13.0時間)、「営業事務」(13.3時間)と続いた。

TOP20の中で前回調査から大きく残業時間が減ったのは、15位の「品質管理/品質保証(素材/化学/食品系)」(前回22.2時間→今回15.5時間)、17位の「社内SE」(同21.5時間→16.0時間)、19位の「Webエンジニア」(同24.9時間→17.4時間)、20位の「食品メーカーの営業/消費財メーカーの営業」(同24.1時間→18.2時間)の4職種で、いずれも前回TOP20圏外からのランクインとなった。

職種分類別で見ると、1位の「一般事務」を含む「事務/アシスタント」が10位までに5職種、20位以内では7職種ランクインし、前回調査と同じくいずれも最多となった。

○残業時間が多い職種

一方、残業時間の多い職種では、前回同様「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」が42.2時間(前回比+5.1時間)で1位に。小説やマンガ、アニメなどの人気の高まりや、コロナ自粛が明けたことでリアルイベントの需要が回復し、紙媒体や告知用広告のニーズが戻ったことなどが影響したよう。

また、「店長」は前回の18.9時間から11.1時間増の30.0時間で5位に浮上。コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることで来店者が増える一方、スタッフの採用が間に合わず、深刻な人材不足が課題に。TOP20の中で最も残業時間の増加幅が大きくなった。

職種分類別で見ると、「営業」が10位以内に3職種、20位以内には6職種が入り、前回から増加。前回調査では、営業活動のオンライン化が進んだことを受けて、一部の営業職で残業時間が減る傾向が見られたが、今回6職種すべてで残業時間が増加。経済活動の回復に伴って営業活動が活発になり、商談の一部も対面に戻って移動時間が増えている、といった要因が考えられる。

年代×職種分類別で平均残業時間を見てみると、前回と同じくすべての年代で「事務/アシスタント」が最も少ない結果に。また、「事務/アシスタント」と「IT/通信系エンジニア」は、前回調査と比べてすべての年代で平均残業時間が減少している。

残業が多い年代×職種分類のTOP3は、1位が前回に引き続き「30代×クリエイティブ」の30.9時間、2位も前回と同じく「30代×建築/土木系エンジニア」の30.0時間、3位は「50代×建築/土木系エンジニア」の28.5時間となった。