メンズ地下アイドルの事務所社長らは、ファンの女性客に恋愛感情を抱かせて売り上げを伸ばすため、地下アイドルと共謀してわいせつな行為を繰り返していた。
警視庁少年育成課は16日までに、芸能事務所「NAプロモーション」社長の栗田竜之介（32）と同社最高顧問の畑中卓也（42）両容疑者を東京都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は2023年1月ごろ、多数の女性客がいる渋谷区のライブハウス会場で、当時17歳だった高校2年の女子生徒に対し、メン地下アイドルが胸を触り、体に覆いかぶさり、下半身を押し付けるなどのわいせつな行為をさせた疑い。
「当日はライブ後、『チェキ会』と呼ばれる写真撮影会があった。女性客が1000円払えば、推しの地下アイドルと1分間、ツーショット撮影しながら会話ができるシステムです。人気アイドルから愛されているという疑似恋愛心理をあおるため、地下アイドルは他の女性客がいる前で、女子高生の腰に下半身をグイグイ押し付けていた」（捜査事情通）
“被害”に遭った女子高生は、22年9月～23年1月にチェキ券や店外デート代として約250万円をつぎ込んでいた。資金はすべて「パパ活」、体を売って稼いだ金だった。
調べに対し、栗田容疑者は「アイドルの裁量に任せていた」と供述し、畑中容疑者は「卑わいな行為をしてまで売り上げを上げるよう指示していない」といずれも容疑を否認している。
「娘がアイドルに貢ぐために売春をしている」などの相談が相次ぎ、22年には約40件だった家族からの相談件数は、昨年1年間で約100件に急増した。
栗田容疑者の会社では総勢250人、40グループの地下アイドルを抱え、ライブチケットを3万円や5万円で販売。写真撮り放題券は3万円、動画撮り放題券は5万円だった。
チェキ撮影の場合、1回当たり1ポイントが付与され、1500ポイントたまるとディズニーorピューロランドを含む4時間デート。3000ポイントで日帰り大阪旅行8時間枠（現地集合/現地解散）の特典が付いている。
1500ポイントは金額にして150万円、3000ポイントは同300万円相当だった。
同社はライブ代と撮影代など合わせて月間1億円以上を売り上げていたが、最近は2億円近く荒稼ぎしていた。
栗田容疑者は会社の公式アカウントで「弊社NAプロモーションはマネージャー達への教育を欠かせません！（朝礼編）」というマネジャーたちとのロープレ動画を投稿。
新規 私、メン地下初めてなんですけど、どうすればいいですか？
アイドル 今、推しとかいるの？
新規 いないよ！
アイドル ラリー券あるよ！
新規 何、それ？
アイドル 今なら、1人1枚無料でチェキ・写真撮れるよ！
地下アイドルはこうやって少女たちをあおり、大金を巻き上げていた。