冬のエアコン暖房「寝室の乾燥」を防ぐ上手な使い方は? 三菱電機が解説

三菱電機はこのほど、「冬の室内環境に関する調査」の結果を発表した。調査は2023年12月16日~18日の期間、東京 ・大阪在住の男女600名を対象にインターネットで行われた。
○「冬にエアコン暖房をつけて就寝する際、乾燥が気になる」は85%

調査によると、冬にエアコン暖房をつけて就寝する際「乾燥」が「気になる」「どちらかといえば気になる」と回答した人の合計は84.8%となった。また、エアコン暖房を使用する際に「窓や壁の結露」が「気になる」「どちらかといえば気になる」と回答した人の合計は68.3%という結果となった。

「就寝時の乾燥」と「窓や壁の結露」それぞれについて何か対策をしている、もしくは過去にしたことがあるか質問したところ、「就寝時の乾燥 」については74.0%の人が「対策を行っている/行ったことがある」と回答した。一方、乾燥対策を行ったことがある人に「自身の乾燥対策に満足しているか」と質問したところ、「満足していない」「どちらかといえば満足していない」と回答した方の合計は28.8%となり、3~4人に1人が自身の乾燥対策に満足していないことがわかった。

○窓や壁の結露対策は?

また、「結露」の対策をしたことがない人は52.2%となり、その理由は1位「面倒だから」44.5%、2位「対策の仕方がわからないから」39.5%となった。結果から、結露対策を行っていない方のうち、2~3人に1人が対策の仕方をわかっていないことが明らかになった。

加えて、室内の結露が「気になる」「やや気になる」と回答した人に、具体的に結露が気になる場所はどこか質問したところ、1位「寝室」75.4%、2位「リビング 」70.2%、3位「玄関」13.7%となった。

○暖房による湿度低下を防ぐには

三菱電機 空調冷熱システム事業部 久田 優美氏によると、湿度とは、空気が含むことができる水分量の上限に対し 、どれだけの水分(水蒸気)を含んでいるのかを割合で示したものだという。エアコン暖房で室温が上がると、空気中に含むことのできる水分量が増えるため、絶対的な水分量が変わらなければ、相対的に湿度は下がり、乾燥したと感じる。

よって、暖房による湿度低下を防ぐには、加湿機などで水分の絶対量を補充する必要があるという。久田氏は「寝室」の乾燥を防ぐ上手なエアコン暖房の使い方として、「快眠/ねむり運転」を設定すること、「風向」は人がいないところに向けて下向きに設定すること、保湿機能を搭載している製品では「保湿機能」を設定することなどを勧めている。

○就寝時におすすめの乾燥対策

睡眠環境プランナーの三橋美穂氏によると、冬の就寝時、室内の乾燥により「のどが渇いて目が覚める」「乾燥により肌がかゆくなりよく眠れない」などのトラブルが発生する可能性があるという。就寝時におすすめの乾燥対策として、入浴後にコップ1杯、寝る前にはのどを潤す程度に(コップ半分以下)常温の水や白湯を飲むことや、就寝時に「綿やシルクのマスク」を着用すること、就寝場所近くで洗濯物を室内干しし、湿度を上げることを勧めている。

また、一般的に、就寝中の汗や呼吸に含まれる水分によって「寝室」は湿度が高くなりやすいと言われている。湿度が高くなれば、その分結露も発生しやすくなるため、寝室の結露対策には3つのポイントを抑えることが重要となる。

結露対策には“換気”が重要!“換気”によって空気の入替えをする

室内の空気を“攪拌”する

結露しやすい窓周辺には加湿器や洗濯物を置かない

結露を防ぐには、室内外の温度差を極力小さくしたり、水分を多く含む空気を外に出したりすること、つまり換気によって空気の入替えをすることが大切。快眠の観点からも換気は有効であり、換気により寝室の二酸化炭素濃度が下がると、睡眠の質が向上したという研究結果もあるという。

また、快眠に加えて、夜中のトイレや朝布団から出るタイミングに、寒暖差による健康面への影響を起こしにくくするために、寝室の温度は18℃以上に保つことを三橋氏は推奨している。そのため、寝室に冷たい空気が入らない「機械換気」がおすすめだとか。また、寝具を冷やさないために、布団乾燥機や湯たんぽ等の活用も有効だという。