長崎で１月に行われていたホークス和田毅投手の自主トレに３人のマリーンズ選手が参加をしていた。早稲田大学の後輩にあたる小島和哉投手は２１年以来、２度目。本前郁也投手はルーキーイヤーのオフから毎年、参加をしている。そして新たに今年２年目のシーズンに挑む高野脩汰投手の姿もあった。
「本前さんにお願いをして、話をしていただいて参加をさせていただくことになりました」と高野。充実した毎日に目を輝かさせながら話をしてくれた。
□ ■ □
高野にとって和田は同じ左投手として憧れているだけではなく、郷土・島根の大先輩にあたる。小学校高学年の時に、地元で行われた和田杯という少年野球教室に参加をした。写真を撮ってもらった。大抽選会のコーナーがあり、サイン入りの野球ボールが当たったのは今でもしっかりと脳裏に焼きついている。
「ボールも写真も今も実家に飾られています。壇上にいた和田さんは本当にカッコよかった。こうして今、一緒にトレーニングをさせていただいて、いろいろとアドバイスをいただけるのは信じられないです」と高野。この話を夕食のテーブルで聞いた和田は「へえ。あの時、あの場所にいたんだ。立派になってくれて、うれしいよ」と優しく笑った。
毎日が発見の連続だ。体幹を意識したトレーニングがメインだが、その中でピラティスを取り入れたり、脳トレのメニューが組み込まれることもある。和田は一つ一つの練習に対して身体のどの部分を鍛えるためのものか、そしてその部分を鍛えることはピッチングにおいてどうして必要かを教えてくれる。その度に若者は目からうろこが落ちるような感覚になる。
□ ■ □
「毎日が本当に充実しています。そしてなによりも４０歳を超えられて、僕と一緒、いや僕よりも体が動いていることに驚かされました。練習量もすごい。超一流の人はこんなに努力をしているのだと分かりました」と高野は語る。
社会人野球の名門、日本通運から即戦力として入団した高野だが、１年目は１軍で７試合の登板にとどまった。それでも防御率は１・６４。キラリと輝きは放つことができた。郷土の憧れの大先輩との共同生活で様々なことを吸収した若者が今年、マウンドでどのようなパフォーマンスを見せてくれるか。２年目の飛躍に期待だ。
（千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章）