〈筋トレ女子たちも歓喜〉50年ぶり、ブロッコリー“指定野菜”入り!「10年で出荷量が30%増」「店頭価格が安くなる可能性も」ボディメイクで重宝される理由は?

1月22日、ブロッコリーが2026年度より「特定野菜」から「指定野菜」に加えられると農林水産省より発表された。「指定野菜」の追加は半世紀ぶりで、ブロッコリーの消費量が伸びていることが「指定野菜」入りの理由だというが、これによりなにが変わるのか? この発表を受け、ブロッコリーをこよなく愛する“あの界隈”の人々に喜びの声を聞いた。
そもそも「指定野菜」や「特定野菜」とは何か? 管理栄養士の松田真紀さんはこう説明する。「農林水産省は日本国内で消費量の多いキャベツ、大根、トマト、茄子、ねぎ、たまねぎなど14品目の野菜を国民生活にとって重要な『指定野菜』に位置づけています。『特定野菜』は『指定野菜』に準ずる重要性のある野菜で、他にかぼちゃやれんこんなど34品目が指定されています」
14種の「指定野菜」たちはいずれも需要が多く、食卓に欠かせないラインナップだが、ここに加わることになったブロッコリーは、いったいいつ日本にやってきたのだろうか。「ブロッコリーの原産地は地中海沿岸。イタリアで改良されて発達し、日本には明治時代初期にやってきました。当初は観賞用の野菜だったので食用としては長らく普及しませんでしたが、戦後、本格的に栽培が始まり消費が拡大。昭和50年代には健康的な食生活に関心が集まり、22年産のブロッコリーはその10年前より出荷量が3割近く増えたことから『指定野菜』に加わることになったようです」(同)「特定野菜」から「指定野菜」への追加は1974年のジャガイモ以来、50年ぶり。このニュースを受けて、まず喜んだのはブロッコリー農家だ。『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)を上梓した石川県の農業法人、有限安井ファームの広報担当者も喜びを隠さない。
『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)
「野菜の収穫は天候に左右されがちで、生産量が多すぎると価格が著しく低くなってしまうのですが、指定野菜に選ばれたことで国からの補助が増えるから生産者は安心して栽培ができるし、ブロッコリーの安定供給にもつながります。競合農家の増加による供給過多でも同じく補助してもらえるし、消費者目線でいえば競合が増えて出荷が集中すれば、店頭での価格が安くなることも考えられます」
価格が安くなると聞いて「ナイス!」と声を上げるのは、筋肉のためにブロッコリーを大量に摂取するトレーニング愛好家たち。港区六本木のジム「ORANGE GYM RATS」でトレーナーをしながら、自身もフィットネス大会に出場し、 FWJ主催の「OLYMPIA AMATEUR JAPAN 2023」フィギュア163cm以下級3位に輝いた日比佑伊子さん(27歳)は言う。
ブロッコリーでつくりあげた?日比佑伊子さんのボディ
「ブロッコリーは豆類を除くと食品の中でもトップレベルにタンパク質が豊富で、ビタミン群も効率よく摂取できます。また、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテステステロンを増強してくれる成分も含まれており、個人的に減量期の食事には欠かせません!」ふだんはサロンオーナーをしながらボディメイクに励み、俳優の金子賢氏がプロデュースしたボディコンテスト「サマー・スタイル・アワード2023」のビキニ部門で優勝した尾髙友里恵さん(37歳)も、ブロッコリーの「指定野菜」昇格に「ナイスバルク!」と喜ぶ。
尾髙友里恵さんもブロッコリーを重宝
「お弁当によくつめるのですが、彩りだけじゃなくて、歯ごたえがあって満腹感が得やすいんです。100グラムで5~6グラムのタンパク質が摂れるのはお得ですし、むくみを解消してくれるカリウムも含まれていて、減量野菜としても優秀。また、食物繊維も豊富で腸活野菜としてキノコと一緒に扱ってます」聞けば聞くほど体と筋肉にいいブロッコリー。ちなみに、笹川スポーツ財団によると、筋トレ人口は2000年から比べて男性が約2倍、女性が約3倍ほど増加しているという(2022年時点)。彼、彼女らのブロッコリー大量摂取が、今回の指定野菜入りを後押しした……かも?取材・文/河合桃子集英社オンライン編集部ニュース班