雪の日の新幹線を支える“特別部隊” 年に数回だけ使われる部屋に潜入「きょうは我々にとって特別な日」

大雪の中、東海道新幹線は安全な運行を守る「特別な部隊」が奮闘しています。早朝から名古屋駅で行われている雪落とし作業の一部始終を「チャント!」が独占取材しました。
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(越智駿平記者)「東海道新幹線の始発前ということもあって、普段のにぎわいがうそのように静かです」
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午前5時半、夜明け前の名古屋駅に集まった人たち。
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「大変な作業となりますが、よろしくお願いします」彼らは普段、愛知、岐阜、三重で駅や車両の清掃を行うJR東海のグループ会社の職員です。
列車が動き出す前、人気のないホームに上がり、ヘルメットを被ると…(記者)「ヘルメットを装着した職員がホームの下に入っていきます」彼らは一体…
(職員)「上り一番線、よし」看板には「雪落とし」の文字が。
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(セントラルメンテナンス 駒田賢一課長代理)「ホームの下で、車両の下についた雪落とす作業を行います。われわれにとって、きょうは非常に特別な日になると思います」
彼らは雪を付けて入ってくる新幹線の「雪落とし部隊」。反対側のホームから見てみると…(記者)「ホームの下に職員らがじっと座っています」
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新幹線は1編成が約400メートルで、職員は1両に1人の間隔で待機しています。
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(記者)「午前8時、名古屋駅は大粒の雪が降っています。ホームに入ってくる新幹線も雪をかぶっています」
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東京方面のホームには雪が多い滋賀県の米原付近を通過した新幹線が、約5分おきに停車します。そして、その下では、職員が高圧洗浄機で雪を落としていきます。
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名古屋駅でここまで大規模な「雪落とし」が行われるのは年に数回。米原付近で大雪が予想される日に、職員は1人あたり4時間から5時間、ホームの下で作業を繰り返します。
車両の下についた雪をひたすら取り除くのには、こんな意味が…(セントラルメンテナンス 駒田賢一課長代理)「雪を巻き上げて、新幹線の下に雪がついていしまう。雪の塊が走行中に落ちてしまうと、車両の機器や沿線の設備を壊してしまうので、雪を落とす作業をしています。腰をかがめての作業になるし、やはり非常に寒いので大変になりますが、日本の大動脈・東海道新幹線を支えるために必要な任務だと思ってやっています」
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職員の安全のためにホームの端にあるのが、雪が降るときだけ使われる「雪指令室」。内部にカメラが入るのもおそらく初めてというほど特別な部屋です。
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(セントラルメンテナンス 駒田賢一課長代理)「赤信号で列車が動かない状態にして、作業員が安全に作業できるよう操作を行っている部屋です」こうした作業を終電まで。担当する職員には特別な心意気が。(セントラルメンテナンス 駒田賢一課長代理)「雪はわれわれにとっては見せ場。まずは東海道新幹線が安全運行される、安全最優先を心がけています」世界有数の正確さと安全性で知られる東海道新幹線は、文字通り「縁の下」の力持ちに支えられています。