沖縄県うるま市議会の基地対策特別委員会(蔵根武委員長)の委員10人が22日、津堅島訓練場水域で米軍が実施したパラシュート降下訓練を視察した。与党議員からは「周りの迷惑になっていない」「これは問題ない」などと訓練を容認する声が上がった。ただ、沖縄防衛局などに問い合わせはしておらず、安全かどうかの確認はしていない。
関連記事米軍機が落としたトレーラーの下敷きに 児童が死亡して57年 つり下げ訓練の恐怖続く[4・・・[4・28「屈辱」いまも 対日講和条約発効70年](1)米軍機事故 生活の場で突然、惨事は起きた。米軍施政下にあっ・・・www.okinawatimes.co.jp 一方、野党議員からは訓練の危険性や日米合同委員会合意(5・15メモ)で記載がない認められていない訓練だとの指摘も出た。
委員らは同日午前10時ごろ、勝連漁協に訓練への見解を質問。上原勇行組合長は訓練に伴う事故のリスクなどから、反対の姿勢を示した上で「漁民からの苦情などは特に挙がっていない」と述べた。
委員らは午前11時ごろから水域が見渡せる平敷屋公園で、1時間ほど視察。その間に2回の降下があり、うち1回は風を受けたパラシュートが降下開始地点から大きく離れた場所に着水した。
蔵根委員長は当初「水域内にしっかり降りているのを確認した」としたが、水域範囲の認識が間違っていることを記者に指摘されると「どこまでが水域か、水域内に降りたのかは分からないが、漁民からの反対もなく、安全に配慮して飛んでいると感じた」と述べた。抗議決議などについては「漁民の総意による反対がない以上、議会が抗議するのもおかしい」とした。
関連記事「就任後は反対していたが…考えが変わった時期は?」うるま市長、野党に問われ明答避ける ・・・ 沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域で米軍が実施しているパラシュート降下訓練について、中村正人うるま市長が「反対しな・・・www.okinawatimes.co.jp 与党議員からは訓練の様子を「オリオン座みたいに並んでる。ロマンチック」と安全性のリスクを軽んじるような発言も聞かれた。
野党会派の伊波洋氏(希望のいぶき)は、上原組合長が「(訓練に伴う)漁業補償金をもらっている漁民は反対の声を上げづらい立場」と話していたと指摘。訓練は「風で大きく流されることが分かった。風向きによっては陸地やフェリー航路に流される危険性も高く、訓練に抗議する必要性を感じた」と話した。
(中部報道部・仲村時宇ラ)