テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)は24日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党の政治刷新本部が23日の全体会合で党改革の中間報告を提示し、了承されたことを報じた。
中間報告では、派閥全廃に踏み込まず「政策集団」としての存続を容認した。本部長を務める岸田文雄首相は記者団に「派閥ありきの自民党から完全に脱却する。派閥から資金と人事を遮断する」と強調した。裏金問題に関与した安倍派議員らに関し「関係者の政治責任の在り方について結論を得ていく」とし、具体的内容は先送りした。
スタジオにゲスト出演した政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、今回の中間報告を受け「言えることは元に戻ることは、もうないだろうと思います。安倍派が再び力を取り戻すとかはもうないだろう、と。それが総括です」などと指摘した。
一方で同じくスタジオ生出演した前明石市長の泉房穂氏は「正直言いますけど、今回については、点数つけたら百点満点で30点ぐらいだと思います。不合格だと思います」と断じた。
続けて1989年5月に自民党が決めた「政治改革大綱」と比較し「政治改革大綱は合格点の70点だったと思っています」と評価した。その上で今回は「大きく言うと政治資金の問題と派閥の問題があってテストでいったら大問がふたつあって」などとし「35年前でも明記しているのは、派閥の弊害除去と解消への決意、と。35年前の決意はどこに行ったの?派閥解消の決意があったのではないかという観点でいくと本当に疑問」と断じた。
さらに35年前の政治改革大綱には「総裁、副総裁、幹事長、閣僚は在任中、派閥を離脱する、と明記しているんですよ。ところが(現在の自民党)副総裁、麻生さん、派閥の会長。(自民党)幹事長の茂木さん(派閥の)会長。閣僚だって離脱した人ほとんどいませんから、自分の決めたことを守らず今回(の中間報告は)それにすら達してない」と不合格と断じた理由を説明した。
続けて政治資金についても35年前の政治改革大綱には「派閥のパーティーだけじゃなくて閣僚のパーティーも自粛と書いてあるんです。(今も)自粛していません」とし、「事務所とか人件費にお金がかかるから党として自主規制すると書いてあるけど、まったく自主規制をしていません」などと解説した。
この見解を受け田崎氏は「政治改革大綱、泉さんよく読まれたと思うんですけれども、僕はあの時、自民党担当のキャップだったんですね、記者クラブで。政治改革大綱できるプロセスずっと見ていたんです。できあがったものも当然何度も読んでいます」と切り出し、「政治改革大綱の半分以上を割いて訴えているのは選挙制度改革ですよ。そうでしょ?」と泉氏に確認した。
続けて「当時の中選挙区制度がカネのかかる選挙。そして与野党の政策競争をしないようにしてきた、と。根本は選挙制度にあるんだ、と。だから選挙制度を小選挙区比例代表制に変えましょうというのが政治改革大綱が最も訴えていることなんですね」と解説した時に泉氏が「いや…」と発言をしようとすると「ちゃんと聞きなさい」と田崎氏は注意した。
これにスタジオは笑いが漏れ、泉氏は笑顔で応じ発言を止めると司会の羽鳥慎一アナウンサーは「順番でいきましょう」と田崎氏に発言の続行を促した。
続けて小選挙区比例代表制が94年の細川内閣時代に導入されたことに触れ「(当時、首相だった)細川護熈さんと(当時、自民党総裁だった)河野洋平さんの合意によってできたわけです」とし「その結果、今、どうなっているのか?カネのかかる選挙は解決したのか?与野党の政策競争がちゃんと行われているかというと、河野洋平さんはこの前の国会での証言で失敗だったと言われているわけです」とし「果たして政治改革大綱が本当に正しいことなのか?書かれていることが。僕はそちらにむしろ疑問を思います」と解説していた。