TBS「方言禁止」企画は「戦前の方言札思わせる差別」 SNSで批判 沖縄の歴史的背景を検討せず

TBSのバラエティー番組内で「方言禁止記者会見」という企画があり、沖縄出身の俳優がしまくとぅばを使った質問に共通語で答えられるかを試していたことが分かった。「方言札を思わせる差別」との批判を受け、TBSは「沖縄の歴史的背景についての十分な検討ができていなかった」と述べた。 番組は18日に放送された「櫻井・有吉THE夜会」。沖縄出身俳優の二階堂ふみさんが記者会見に臨む設定で、同郷の複数の記者役がしまくとぅば交じりで質問を重ねた。 二階堂さんが3回しまくとぅばを使ったら負けというルールを設定。ナレーターは「ゴリゴリの沖縄弁『ゆんたく』が出てしまいワンアウト」などと語った。 放送後から、交流サイト(SNS)では、「植民地主義的」「戦前に日本帝国が方言を禁止した史実をなぞる差別行為」などの批判が上がっていた。 TBSは「どんな役も見事に演じ切る俳優さんでも、出身地の方言には釣られてしまうのではないか」と企画の出発点を説明。長崎県出身の俳優を起用した以前の回が「好評」だったこともあって沖縄の歴史的背景を検討できなかったとした。「差別的であるとのご指摘は真摯(しんし)に受け止めており、今後の番組制作に生かしていく」と述べた。(編集委員・阿部岳、社会部・吉田伸、塩入雄一郎)TBS「方言禁止」企画は「戦前の方言札思わせる差別」 SNS…の画像はこちら >>