(豊川高校野球部・長谷川裕記監督)「素直にうれしい。試合に出る選手だけではなく、応援する全員に期待して、豊川高校一体となって一勝ずつもぎ取りたい」
驚異の打率6割 モイセエフ・ニキータ選手だけじゃない “…の画像はこちら >>
去年10月に秋季東海大会初優勝、11月の神宮大会では、初出場にしてベスト4という成績で、1月26日に10年ぶり2度目の春のセンバツ出場を決めた豊川高校。この大躍進の裏側には、豊川高校ならではの強さの秘密がありました。1月26日に、10年ぶり2度目の春のセンバツ出場を決めた愛知県の豊川高校。甲子園の切符を手に入れた豊川高校の強さの秘密とは。
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春のセンバツ出場を大きく左右するといわれる秋季東海大会。豊川高校は準決勝で、春夏通算4度甲子園に出場している宇治山田商業高校と対戦しました。
5対3の2点ビハインドで迎えた9回ウラ。豊川は1点を返すも2アウトになり、あと1人という場面で、起死回生の同点タイムリーを放ちます。勢いはそのまま、劇的なサヨナラ勝利となりました。甲子園への切符を手にした、この逆転劇。関わった3人を追いかけました。
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この試合で同点タイムリーを放ったのが、チームメイトが「攻撃の要」と話す、モイセエフ・ニキータ選手(2年)。(モイセエフ・ニキータ選手)「チャンスに多く回ってくるので、そういうところで1本打てるというのは自分の強みですね」
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フルスイングが魅力の強打者で、チームメイトから熱い信頼を置かれています。(チームメイト)「ニキータに回せば(ランナーを)返してくれる」「長打力というのは、やっぱりチームで見てもダントツですごいなと思うし、ニキータがいなかったら、ここまで来られていない」
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指導する長谷川監督も。(豊川高校野球部・長谷川裕記監督)「ここで打ってほしいというところで打ってくれる。(入部当初は)そんな大した選手じゃなかった。“継続力”というのが今の彼を作り出している」
ニキータ選手は愛知・刈谷市出身。ロシア人の両親を持ち、兄の影響で小学1年生から野球を始めます。そして野球の楽しさに魅了され、次第にプロへの夢を持つように。夢のために継続したのは、体づくりでした。食事とトレーニングで、入学当初は66キロだった体重が84キロに。ベンチプレスの最高はなんと105キロ。体重増加の成果もあり、1年の時には出なかったホームランを現在は14本放ち、秋季東海大会では驚異の打率6割を越えました。
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(ニキータ選手)「(甲子園は)もちろん優勝したい。どんな強い相手でもしっかり自分たちの野球ができるように今練習しています」チャンスをしっかりと捉えた、ニキータ選手の一打が、逆転劇を呼び込んだのです。
そして、豊川高校には裏で支えながら甲子園に熱い思いをかける選手も。(ニキータ選手)「練習に付き合ってくれることが多いので、ここまで成長できたのはやっぱり蓮弥(の存在)があったからこそ」副キャプテンを務める竹内蓮弥選手(2年)です。
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竹内選手は3年生が引退し、レギュラーを目指していた去年の7月、突如、縦隔気腫(じゅうかくきしゅ)という呼吸困難に恐われ、選手として秋季東海大会には出られませんでした。(竹内選手)「(野球を)辞めたいと思いました。みんなは成長している中で、自分は何か成長できているのかなと。ふとした瞬間に思うのがつらかったです」
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それでも、辞めなかったのは。秋季大会準決勝のサヨナラ打です。(竹内選手)「宇治山田戦のサヨナラの喜びが忘れられなくて、それでチームのために何か(できないか)と思って」
今は自主トレーニングで体力を戻していますが、メインは練習の準備や指示出し、コーチの補助など縁の下の力持ちとしてチームを支えています。(チームメイト)「チームを本当に外から見守ってくれている」「1年生全員を仕切ってくれたりとか連絡をくれたりとか、そういう大事な役割をしてくれている」
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試合に出場できない選手も甲子園に向けて切磋琢磨する、豊川高校の“全員野球”で掴んだ逆転劇でした。
そして、OBの力もあの勝利に貢献していました。秋季東海大会の準決勝。トランペットで応援をしているのは、現役を退いた3年生です。(3年生・田中右京さん)「1、2回戦は吹奏楽部が来てくれて、でも3回戦の準決勝から吹奏楽部がオープンスクールと被ったので来れないとなって『もう俺らで吹くしかない』ってなって」
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準決勝まではわずか6日。トランペットはもちろん初めて。朝5時半に起き、始業までの朝練習と放課後夜8時まで毎日猛練習を行いました。(3年生・田中さん)「後輩が甲子園がかかった立場にいるってなったら、本当に応援したいと思いましたし、徐々に強くなっていく後輩を見て、俺らも頑張ろうと思ったのでやりました」
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その思いはグラウンドで戦っている選手にも届き、準決勝のマウンドを託されたエースの鈴木爽太投手(2年生)は。(鈴木爽太投手)「すごく心強いというか、3年生がこんなに頑張ってくれるのに俺らがやらないのは違うなみたいな。自分たちのためというか、やってくれる3年生のためという気持ちが働いて、すごく励みになりました」
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(長谷川監督)「出ているのは1年生2年生ですけれども、3年生の応援があったりだとか学校の応援があったりだとか、出ている選手だけではなくて全員が成し遂げた秋季東海大会優勝です」
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劇的な逆転劇で春のセンバツ出場を決めた豊川高校。開幕は3月18日。全員野球で甲子園初優勝を目指します。(選手全員で)「甲子園では『豊川旋風』を巻き起こせるよう『全員野球』で頑張ります!優勝するぞ!おー!」
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