小学教諭、児童の水筒たたきつけ壊す 別室に放置も… 地裁松戸支部、体罰認定 流山市に賠償命令

流山市立小学校で2017年、男性教諭が小1児童の水筒を壊したり、1人で部屋に放置したりする不適切指導を行っていたことが24日、市教委などへの取材で分かった。児童側は損害賠償を求め市を提訴し、地裁松戸支部は昨年12月に「体罰」などと認定、市に慰謝料など計66万円の支払いを命じる判決を出した。判決は確定し、市は66万円を支払った。
判決や市教委などによると、17年9月ごろ教諭は学活中、水筒を児童の目の前で机か教室の床にたたき付け壊した。別の日には、児童を授業中に別室に連れて行き「落ち着くまでいるように」とだけ言い、最低で55分、最長2時間45分放置した。
判決は教諭の行為について「精神的、肉体的苦痛を与える」と指摘した。訴訟で児童側は「教諭に首を絞められた」とも訴えたが、認められなかった。
教諭は1年契約の臨時的任用講師で17年度中に退職。児童は19年11月に心的外傷後ストレス障害(PTSD)との診断を受け、転校を余儀なくされた。児童側が20年6月に提訴した。
今年1月、市は「緊急を要する」として一般会計の予備費を使い、66万円を支払った。24日の市議会で井崎義治市長は「児童の心を傷つけ、その後の生活に大きな影響を与えたことを深く反省している」と謝罪した。
児童の保護者は「市教委の事後対応に誠意がなかった。市教委には体質を改めてほしい」とコメントしている。