統一地方選立候補見送った乙武氏「たぎる思いはあるがお金がない」 乙武政治塾生が千代田区議選立候補

作家の乙武洋匡氏が26日、JR飯田橋駅前で街頭演説会を行い、4月に行われる統一地方選千代田区議選に自身の政治塾出身で元厚生労働省勤務の富山葵弓(あゆみ)氏(28)が無所属で立候補することを発表した。
乙武氏は「私自身は統一地方選に出馬はしません。ですが、塾生の中から3人が立候補します。その中から、障害当事者であり、実現していきたいメッセージが非常に重なっている富山さんが今回千代田区政に挑戦するということですので、私自身も腹をくくって、顔を出して応援していきたい」と話した。
乙武氏は7月に行われた参院選に無所属で出馬。改選6議席に34人が立候補する超激戦区の東京選挙区で国政に挑んだが、当選はならなかった。選挙後、政治塾の塾生を募り、22年12月10日から23年2月25日までの期間、全6回の政治塾を開講。講師には千葉県の熊谷俊人知事や経済学者の成田悠輔氏などを招いていた。
同塾出身の富山氏は千代田区にある東京医科歯科大在学中に交通事故で大けがを負い、今も右手は動かず、左足などを含む複数箇所の後遺症を抱えている。昨年12月まで厚生労働省医系技官として務めていた。富山氏は「乙武さんの目指す未来と私の目指す未来は非常に共通点がある」とし、乙武氏を「師匠」と呼ぶ。「社会に選択肢を増やし、あきらめなくてもいい社会を実現したいと心から目指しています」と訴えた。
今回、自身の立候補を見送った乙武氏は今後の政治活動について聞かれ、「たぎるものは出てくるんですが、お金は出てこないんですよね(笑い)選挙ってほんとにお金がかかるので。ここにチャレンジします!と言えないのが現状なのですが、たぎる思いはあります!」と前向きな姿勢を示した。