テイクアウト容器も”シェア”する時代に! キリン、中野区でリユース容器シェアリングサービスの実証実験に参加

テイクアウトのランチを楽しんだ後、そのまま捨ててしまう「容器」。この「テイクアウト容器」をシェアするサービスの実証実験が、2月5日より東京・中野区の中野セントラルパーク周辺でスタートしています。

様々なシェアリングサービスがあるなか、リユース容器のシェアはどのように行われるのでしょうか。今回の取り組みを実施するキリンホールディングス、リユース容器シェアリングサービスMegloo(メグルー)に話を聞きました。

目標は18日間で約45kgのプラごみを削減

中野区に本社を置くキリンホールディングスは、2023年10月から中野区が開始している「なかのSDGsパートナー」に登録しています。「なかのSDGsパートナー」は地域課題の解決およびSDGsの推進に取り組む制度で、今回のリユース容器シェアリングサービスの実証実験は区とパートナーとの協働による初の事例とのこと。

リユース容器シェアリングサービスは、キリングループが本社を構える中野セントラルパークに出店するキッチンカー、同施設内の「GOOD MORNING CAFE 中野セントラルパーク」、そしてローソン2店舗にて、2月5日から3月1日までの4週間、平日限定で実施。この取り組みは2023年7月にも実施しており、今回は2回目となります。

中野セントラルパークのキッチンカーは、キリングループ本社に勤務する従業員をはじめとしたビジネスパーソンや、周辺にある大学の学生、公園に遊びに来る近所の方など多くの方が利用しているそう。

リユース容器シェアリングサービスの利用は簡単。店舗のスタッフにリユース容器を使いたい旨を伝え、QRコードをLINEで読み取るだけで実証実験に参加できます。

数分待つと、淡い緑色のリユース容器に盛られた商品が渡されます。コロンとかわいい見た目のリユース容器はMeglooが自社開発したもので、三井化学によるバイオマスプラスチックを採用。通常、バイオマスプラスチックは一般的なプラスチックよりも耐熱性・耐久性が劣りますが、この容器は500回近く繰り返し使うことができ、品質もリサイクルのしやすさも両立している環境負荷の低い素材とのこと。

食べ終わった後は、リユース容器をMegloo専用の返却ボックスに返すだけ。この後、返却ボックスの容器は回収・洗浄され、また各店舗で再利用されます。返却ボックスは、キリンホールディングス本社内、東京建物が管理する中野セントラルパーク、中野に本社を構える丸井グループ、そして中野市役所と複数設置されており、テイクアウトして公園内やオフィスでランチを楽しんだ後、簡単に返却できるのも便利なポイント。

なお容器の洗浄も中野セントラルパークの徒歩圏内にある丸井グループ本社の社員食堂で行っているため、中野区内で効率よく回せる仕組みだそう。

今回の実証実験では、18日間で合計約45kgのプラスチックごみを削減(約240kgのCO2削減効果)を、そのうちキリングループでは約18kg(約96kgのCO2削減効果)を見込んでいるとのことです。
中野区の課題を中野の企業で連携して解決

今回実施するリユース容器シェアリングサービスの実証実験について、キリンホールディングス CSV戦略部 池庭愛さんと、Meglooを運営するカマン 代表取締役/CEO 善積真吾さんに話を伺いました。

――なぜキリンホールディングスが今回の実証実験を行っているのでしょうか。

キリンホールディングス 池庭さん:2024年1月に、中野区のパートナーシップ制度「なかのSDGsパートナー」に登録しています。昨年もMeglooとのリユース容器シェアリングサービスを実施していますが、地域貢献性の高いSDGsの取り組みだと考えて今回の実証実験を実現しました。

――昨年夏にも中野セントラルパークで5日間の実証実験を行われています。前回の反響は?

カマン 善積さん:「手間だと思ったけれど、これならできそう」など、意外と普通にできる、という声が寄せられました。また容器のバリエーションを増えてほしいという要望を受け、丼タイプの容器に加えてご飯とおかずを分けられる平皿やカップタイプも追加しています。

――今回は「なかのSDGsパートナー」として取り組みをされています。

カマン 善積さん:今回は中野区役所にも全面協力してもらい、返却ボックスを区役所に置いてもらったり、中野セントラルパークの他フロアにも設置しています。またコンビニエンスストアでは初となるローソンでもMeglooを使えるようになりました。

Meglooは鎌倉からスタートしたサービスで、渋谷や中目黒など様々なエリアや、ラグビーやバスケ、F1グランプリといったイベントでリユース容器のシェアリングを行っています。現在はイベントと大都市を中心にフィットする場所で集中的に実施しているのですが、テナントやビルでの実施はステークホルダーが多く難しい。キリンホールディングスから実証実験の相談を受けたことで、東京建物が管理する中野セントラルパークのキッチンカーでの取り組みが実現できました。大企業と連携することで、やっていこうよという空気感をつくっていきたいですね。