冬はスマホのバッテリーが早く消耗する? KDDIの実験結果に「注意したい」

冬など気温が低い環境だと、スマホのバッテリーが早く消耗するといわれています。
精密機械は高温に弱いので、低温下ではむしろ快適に動き、バッテリーの持ちもよくなりそうですが、実際はどうなのでしょうか。
その真偽を確かめるべく、KDDIが『低温でのスマホのバッテリー消耗』についての実験を行いました。本記事では、同社協力の下、その結果を紹介します。
『低温でのスマホのバッテリー消耗』についての実験は、以下3つの環境でKDDIのプロダクト品質管理部が実施。
A:空調の効いた部屋(約25℃)
B:寒い場所(0℃、冬の東京を想定)
C:極寒の場所(マイナス20℃、冬の北海道を想定)
同じ環境下において満充電したスマホで、ダウンロード済みの動画を繰り返し再生して、何時間後にスマホの電源が落ちるかの時間を計測しました。
その結果、空調の効いたAの部屋では、電源が落ちるまでの時間が5時間46分だったのに対し、0℃のBの場所では4時間17分。
さらに極寒のCの場所にいたっては、2時間25分と、Aと比べて3時間以上もの差がありました。
温度が低い環境でスマホのバッテリー消耗が早くなるのは本当のようですね。
※写真はイメージ
なぜ低温下ではバッテリー消耗が早くなるのでしょうか。
その理由について、KDDIは「リチウムイオン電池は『電池内部の電解液をイオンが移動することで電流が流れる』という仕組みなので、温度が低くなると電解液の粘度が上がってしまい、イオンが移動しにくく、電池持ちが悪くなるのです」と解説しています。
低温下でバッテリー消耗が早くなるのであれば、温めると元の性能に戻りそうなもの。しかし、温めることがバッテリーの劣化につながる可能性があるとKDDIは指摘しています。
そもそも、リチウムイオン電池は『5~35℃が動作保証温度』です。
一般的な室温の部屋では、スマホのバッテリーに影響はありませんが、カイロや暖房器具を用いて温めようとすると、動作保証温度以上になることがあり、バッテリーが劣化してしまうのです。
使い捨てカイロもポケットの中に入れた状態だと40℃以上となり、バッテリーの動作保証温度を超えることも。
カイロと一緒にスマホを入れたままにしないよう、KDDIでは注意を促しています。
※写真はイメージ
気温が低い状態でスマホを動かすと、思った以上に早くバッテリーが消耗してしまいます。「気が付けば残量がゼロ」なんてことにならないように注意が必要ですね。
また、高温もスマホの天敵のため、寒さだけでなく熱くなりすぎないようにも気を付けましょう。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]