わいせつ保育士には余罪があった…。東京都墨田区の私立認可保育園で女児に性的暴行を加えたうえ動画を撮影したなどとして警視庁は2月8日、保育士の長田凪巧(なぐみ)容疑者(26)=足立区=を不同意性交や性的姿態撮影処罰法違反(製造)などの容疑で再逮捕した。長田容疑者は容疑を認めているという。
長田容疑者は昨年10月6日、昼寝の時間の2時半ごろ、勤務していた墨田区内の保育園内のトイレで女児にわいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで撮影していた疑いがあるという。なお、同容疑者は昨年10月10日の同時刻にも、別の女児を園の押し入れに誘い込んでわいせつ行為に及び、その様子を自身のスマートフォンで撮影した疑いで1月17日に逮捕され、園を懲戒解雇されている。
長田容疑者(本人SNSより)
「園児たちの昼寝中におこなわれた卑劣な犯行で、押収された長田容疑者のパソコンやスマホには女児らにわいせつ行為をする画像や動画が500点以上残されていた」(社会部記者)昨年8月には中学受験進学塾「四谷大塚」の現役講師による女児生徒の盗撮事件が発覚。同9月には東京都練馬区立中学の現職校長が女生徒のわいせつ画像を所持していた児童ポルノ禁止法違反容疑で摘発されるなど、教育関係者がその立場を悪用したわいせつ事件が続いていただけに、被害者がさらに低年齢化した今回の事件が起こす衝撃は大きい。しかも、事件の舞台となった保育園の園長は長田容疑者の父親というダブルショックに保護者たちも強い動揺を隠しきれない。1月の逮捕当時、保護者たちはこう取材に答えた。
長田容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
「長田先生は若くて優しい男性だったのでママ友たちもとても驚いてます。園長の息子さんだというのは聞いたことがあります。保育士は人手不足の職業だろうし、しかも親の職場で働くなんてえらいなと思ってたけど、こんな親不孝をしてしまうなんて…」(男児を保育園に通わせている30代の母親)女児を預けている30代の母親の表情は暗かった。「直接お話ししたこともありますけど、優しい話し方をする先生でした。フリーの先生で特に担当クラスがあったわけではないので、被害にあった子がどれだけいるのか想像もつきませんね…。保育園は被害者の人数など詳しいことは伏せていますが、保護者同士で話しているだけでも5人くらいいるのは間違いなさそうです。3歳の女の子も被害にあっていたみたいです。保育園側からその子の保護者に説明があったようなので、おそらく本人が自供したんでしょう。犯行現場の押し入れは、いわゆるウォークインクローゼットみたいな感じなので、そこが唯一、人目に触れない場所だったんだと思います」
この母親は保護者説明会には参加できなかったが、動画で内容は確認したという。「出席できない人のために保護者会の様子を映した動画が共有されたんです。大体15分くらいで、内容は報道されている通りのことと、あとは園からの謝罪でした。保護者からの質疑応答に答えるような場面はなかったですね。それ以降は園からこの件について連絡もないので、私たちの情報も更新されていませんが、やっぱり不安なので、もっと説明はしてほしいですね」
ケーキを持つ永田容疑者(本人SNSより)
1月の逮捕から3週間以上たった今も、保護者や保育園関係者は不安のなかにある。「警察の捜査中ということで保育園の職員も詳細を教えてもらえていない。そのため保護者から問い合わせがきても詳しく説明できない状態です。長田容疑者の父親である園長は逮捕以降、園には来ていません。これから卒園式も控えており、『今さら転園もできない』『本音は辞めさせたいけど仕事もあるので…』とボヤく親御さんもいます。ただただ申し訳ないとしか我々は言えません」(保育園関係者)長田容疑者の父親である園長は、地元の墨田区では資産家として有名だったようだ。近隣住民は1月の逮捕の際、こう話した。「長田さんなら、ビルの大家さんで、穏やかな感じの人だよ。ここは元々は町の時計屋さんで、地元の人たちには馴染み深い店だったよ。でも創業者の長田さんのお父さん(長田容疑者の祖父)が亡くなったとかで30年ぐらい前に取り壊して、そこにこのビルが建ったんだよ。凪巧くんは一回だけ見たことがあるよ。一昨年ぐらいに町の防災訓練があって、そのときに長田さんが『これがウチの息子』と紹介してくれて、凪巧くんも『どうも、こんにちは』としっかり挨拶してくれた」園長の自慢の息子だったはずの長田容疑者は、若くして結婚し子どもも授かり、足立区内に一戸建ての家を構えていた。近隣からも“いい人”と評判だった。
愛妻家にみられていた長田容疑者(本人SNSより)
長田容疑者のSNSには、出産結婚式や妻とのディズニ―ランドデート、子どもの写真などが複数投稿され、「よきパパ」「よき夫」に見える。誕生日にも家族でディズニーランドを訪れ、妻への感謝とともに「おばさんになっても側にいたいな」「幸せものだな」と自ら書き込んでいる世の中何が信用できるかわからない。保育園児たちは長田容疑者によって幼くして、深い傷を負ってしまった。警視庁関係者によると被害女児はほかにもいるようで、余罪はまだまだありそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班