かつての「JALの貨物機」にもあった767ってのがまた。
JAL(日本航空)が13年ぶりに導入する貨物専用機「ボーイング767F」。2024年2月19日の運航開始に先駆け8日、成田空港で報道関係者にむけ、その外観・および機内が初公開されています。その全容はどのようなものなのでしょうか。
初公開! 13年ぶり復活の「JALの貨物機」その内部に迫る!…の画像はこちら >>報道陣に公開されたJALの貨物専用機「ボーイング767F」(2024年2月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
JALは1959年に貨物専用機を就航。「ジャンボ機」ことボーイング747、そして今回導入されたものと同シリーズである767をはじめ、多くの貨物専用機を運用し、一時期は世界NO.1の輸送量を持つ航空会社であった時期もあったとのことですが、経営破たん後の2010年10月末にこれらを全て退役させました。
以降同社は、需要変動が大きい航空貨物事業において、旅客機の貨物スペースと、他社の貨物専用機のチャーター運航による事業経営を実施してきました。
今回の貨物専用機の再就航でJALは、ネット通販などのeコマース、医薬品、生鮮食品を始めとする国際貨物の輸送を担います。
国内では、成田・中部空港の2つを拠点とし、台北(桃園)、ソウル(仁川)、上海(浦東)の3つの海外空港に就航。国際宅配サービス大手DHLエクスプレスとも提携し、同社が引き受けた荷物を安定的にJAL便へ積み込むことで、基礎的な貨物需要を長期的に確保するとのことです。
「コロナ禍で貨物輸送の重要性を改めて認識しましたし、貨物機退役以来、旅客機の運航という収益の柱をひとつしかもっていなかった状況で、旅客需要と違う動き方をするビジネスの必要性を認識しました。航空貨物輸送は、まったく新しいビジネスを立ち上げるのではなく、創業時からやっているものです。旅客需要がピンチのときには航空貨物で支えるぞ!と考えています」(JAL木藤 祐一郎貨物郵便本部長)
新たな「JALの貨物機」は同社の旅客機「ボーイング767-300ER」を改修したもので、初号機「JA653J」は2023年8月まで国内線仕様機として運航されたのち、シンガポールで改修作業を実施。2024年1月に成田空港へ到着しました。
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報道陣に貨物専用機「ボーイング767F」を用いた事業について説明するJAL木藤 祐一郎貨物郵便本部長(2024年2月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
機体はベースデザインはJALの旅客機と同様で、尾翼にはロゴマークの「鶴丸」も入っています。その一方、旅客機と違い客室窓が取り払われており、胴体前方の「JAPAN AIRLINES」の文字も「JAL CARGO」へと変更されています。
貨物はメインデッキ(上部貨物室)・床下の貨物室あわせて、大型のボーイング777旅客機2.5機分にも相当する48tの貨物を積み込むことができます。またコクピットにはパイロット席のほか、荷主向けの座席を3席設置。ギャレー(簡易キッチン)も設置されています。
「改修され、とてもキレイな状態のフレイター(貨物専用機)の実機を今回初めて見ましたが、使命感が高まりました。私達はフレイターを守れなかった世代なので、のちの世代にフレイターを残すというのが大切な使命だと考えています」(JAL木藤 祐一郎貨物郵便本部長)
なお、今後JALの貨物機は2025年度までに、3機体制へと増える予定とのことです。