春告げる初ガツオ、勝浦に一番船 31トン水揚げ

日本有数の生鮮カツオ水揚げ量を誇る勝浦漁港(勝浦市)に9日朝、今年最初のカツオ漁船が入港した。“一番船”の到着は昨年より8日遅かったが、水揚げは昨年の6倍ほどの約31・4トン。毎年いまの時期に届く“春を告げる初ガツオ”に港は活気づいた。
入港したのは昨年の近海カツオ一本釣り水揚げ額日本一に輝いた宮崎・日南市南郷漁協所属の竜喜(たつよし)丸(119トン)。小笠原諸島南方沖で漁をして9日午前7時15分ごろ、勝浦に入港。「カツオが春を連れてきた。船が来るのを待ってました」と話す照川由美子市長や漁業関係者が出迎えた。
一緒に釣り上げたキハダマグロの幼魚などと一緒に小モノから順に水揚げが始まり、ベルトコンベヤーで運ばれた銀色に輝くカツオは12キロほどの大モノも。すぐに競りにかけられ、仲買人の目利きで1キロ当たり1500~309円の値が付き、東京・豊洲市場など首都圏へ出荷された。
勝浦漁港には三重や高知などのカツオ漁船が毎年水揚げしている。竜喜丸はこの日が今年初水揚げで、漁労長の日高陽祐さん(44)は「カツオの群れが小さく、周りの船は苦戦していた。今年も頑張って日本一になれれば」と話した。
勝浦漁協によると、昨年の生鮮カツオ水揚げ量は約9300トンで、27年連続日本一の宮城・気仙沼に次いで勝浦は全国2位。水揚げ額は約37億5千万円だった。
例年夏前まで勝浦が生鮮カツオ水揚げの主力港になっており、5~6月にピークを迎える。同漁協の石井春人組合長(73)は「昨年のカツオ船はみんな(水揚げ額が)良かった。今年もみんなが良かったねと言える年になってほしい」と豊漁を願っていた。