10股かけ4億円ダマし取る…「空自の医官」名乗る結婚詐欺師の悪らつ手口とグズっぷり

「航空自衛隊の医官」を名乗る男は相手を信用させるため、あらかじめ用意した航空自衛隊の公式グッズを見せて、金の無心を繰り返していた。
「抗がん剤治療のために他の病院に転院したい」などとウソをつき、女性から現金をだまし取ったとして、住所不詳、無職の野並信秀容疑者(40)が7日までに詐欺の疑いで警視庁荏原署に逮捕された。
野並容疑者は3年前、婚活アプリで東京都豊島区の40代女性と知り合い、交際を始めた。「結婚したあと必ず幸せにする」と甘い言葉を囁き、すぐに婚約。女性に「いま治療を受けている大学病院では抗がん剤治療ができない。抗がん剤治療が受けられる病院に転院する費用を出してほしい」とウソを言って現金190万円をだまし取った。
野並容疑者は「荒谷信秀」と名乗り、「防衛医科大学を卒業し、航空自衛隊で医官をしていた」と経歴を偽るなど、何から何まで「ウソ」だった。
「野並は女性に結婚をほのめかし、『新居を購入しよう』とか、『親族とトラブルになり、解決するためにお金を貸してほしい』などと何かと理由をつけ、金を要求していた。出会ってから1年半の間に、この女性から約3000万円を受け取っていました」(捜査事情通)
野並容疑者は同時期、「婚約者」とは別に、十数人の女性と同時に交際。彼女らにもネットで購入できる空自の公式文房具を見せて「空自の医官」だと信じ込ませ、がん治療や親族間トラブルの解決金として、総額4億円以上をだまし取っていたとみられている。
調べに対し、「ギャンブルをするための金が欲しかった。ギャンブルに3億円ほどつぎ込んだ」と供述しているという。
野並容疑者は10年前にも似たような手口で、当時交際中だった22歳の女性から約300万円詐取し、逮捕されている。
「野並は当時、看護師をしていましたが、身元を隠して女性と付き合っていた。大腸がんの治療費やマンションのローンの支払いを名目に、『金を貸してほしい』と3カ月にわたり、金をせびっていた。女性はついに手持ちの現金が尽き、消費者金融から借金までして野並に手渡していた」(捜査事情通)
ギャンブルの資金欲しさに交際相手の回復を心から願う女性たちの心理につけこみ、なけなしの現金を奪い取るとは、クズ野郎としか言いようがない。