【石垣】石垣市宮良の市道神田線沿いに、20年前に植えたヒカンザクラの並木が八分咲きとなり、道行く人の目を楽しませている。東成底克一さん(80)が石垣島地方気象台を定年退職した2004年に道路沿いの畑に苗木を植え、大事に育ててきた。今では20本のサクラが高さ3メートルに成長し、見事な並木を創り出している。
苗は実家の庭にあったサクラから実生で育て、高さ20センチの苗木を退職記念に植えた。北風から守るために苗木をビニール袋で覆うなど、わが子をかわいがるように大事にしてきた。
「今年は1月下旬にちらほら咲き出した。満開の木もあるが、これから見頃となりそう」と目を細める。通りがかりの観光客が車を止めて見入ったり、写真に収めたりしている。
妻の貞江さんが生前、よくサクラの手入れをしていたという。東成底さんは「きれいに咲いたサクラに妻も天国で喜んでいると思う」と声を弾ませた。
花が終わると、真っ赤に熟したサクランボができるのも楽しみの一つだ。(南風原英和通信員)