「飽きずにしみじみ飲めるビール」秋保温泉に1月オープン「グレートデーンブリューイング」…みちのく地ビール巡り

仙台の奥座敷・秋保温泉で1月19日にオープンした「グレートデーンブリューイング」が、早くも大きな反響を呼んでいる。現在は醸造所に隣接したレストランのみでの販売だが、特に週末は大混雑。最高マーケティング責任者の子安大輔さんは「東京からも含め多くの問い合わせをいただいています」と話した。
1994年、ドイツ系移民が多くビール製造が盛んな米ウィスコンシン州でロブ・ロブレグリオさんが創業。何度か来日していた2015年、日本での生産を思い描いた。様々な都市を視察する中で宮城県のオープンな気質や野球、サッカー、バスケットボールなどビールと親和性のあるスポーツが盛んなことが決め手になった。ロブさんは醸造所から徒歩10分の場所に家を購入し、秋保の自然を満喫しながら仕事に励んでいる。
缶も販売している主力商品の「グレートラガー」は、11回もの試作を重ねた日本オリジナルだ。重すぎず、軽すぎず、これぞ定番の味。「湯上がりピルスナー」は秋保温泉旅館組合協力のもと、近隣で取れた米を副原料にしたスッキリ感が特徴。「エブリディIPA」はフルーティーで爽やかだ。個人的なイチ推しは「スコッチエール」。甘みとコクがたまらない。何杯でも飲み続けたい衝動にかられた。
レストランではソーセージやサンドイッチのほか、石巻産ホヤを使ったチャウダーや女川産サーモンなど、米国と宮城の“いいとこ取り”メニューを展開。B1仙台89ERSのホームゲームでは1月末から販売を始め、今後は近くの秋保ワイナリーとのコラボ商品も開発する。ロブさんの理想は「最初のインパクトよりも、飽きずにしみじみ飲めるビール」。生産量も順次増やしていく予定で、全国的なブランドになる可能性を秘めている。(岩崎 敦)