【千葉魂】千葉ロッテ、充実の石垣キャンプ 青空に見送られ糸満へ

充実した10日間だった。吉井理人監督は石垣島を離れ、沖縄本島に移動した。場所を糸満に移してのキャンプ。対外試合を10試合、行うことになる(糸満では5試合)。
「選手それぞれがしっかりと取り組んでくれたと思う」と吉井監督は石垣島での日々を振り返った。
□ ■ □
石垣島キャンプ第1クールは晴天に恵まれた。第2クールは雨天スタートもあったが、午後には天気が持ち直してグラウンドで実戦形式の練習を行えるなど予定通りに消化した。
投手と打者が対峙する実戦型の練習が行われる時、首脳陣がネット裏から視線を送る中、指揮官だけは一人、ポツンと一塁側ベンチで見守っていた。ある時、メディアからそのことを問われた。なぜ、吉井監督だけ他の首脳陣と違う場所から見ているのか? 答えは端的だった。「まだ始まったばかり。監督である私に見られることで選手たちが変に力まないように。ここで決めるようなことはしない。じっくりと調整してほしい。私はいるのかいないのか分からないぐらいがちょうどいい」。吉井監督らしい気遣いだった。
石垣島キャンプ最終日の2月11日に行われた紅白戦も結果は不問とした。「あくまでこれから対外試合が行われる前の調整。感覚を取り戻すために行うだけ。いい結果が出るにこしたことはないだろうけど、気にしないでほしい。のらりくらりと自分のペースでやってほしい。自分が調子を上げるための準備ぐらいの感じでやってくれたら」と選手たちに優しいメッセージを送る。
□ ■ □
「オープン戦が終わるまでがスプリングトレーニングだと思っている」。指揮官の考えだ。もちろん、競争を行い、勝ち残ったものが開幕1軍に残る。1軍という舞台を特別なものにするために球団にファームユニホームを提案した。ただ、すぐに選手の評価を下すつもりはない。あくまで長い期間をかけてじっくりと見極める。一つの失敗や一つの結果ですべてを決めない。それがポリシーだ。
「開幕1軍は一つの基準ではあるけど、それもすべてではない。長いシーズン。必ず、必要になることがある。だからみんな気負わず、力まずやってほしい。どうしても開幕1軍を目指すとそこがピークになってしまうことがある。シーズンは長い。その中でそれぞれがパフォーマンスを発揮できるようにしてほしい」と吉井監督。
最終日は朝から気持ちよく晴れた。「ロッテ晴れやな」。指揮官はニコリと笑った。視線の先に青空が広がっていた。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)