【速報】銚子市営住宅女性殺害 67歳被告が無罪主張 千葉地裁で初公判

2022年6月に銚子市春日町の市営住宅で、住民の礒辺たみ子さん=当時(68)=の首を絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われた香取市、無職、坂本雅章被告(67)の裁判員裁判初公判が19日、千葉地裁(福家康史裁判長)で開かれた。被告は「殺害してはいません」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
検察側の冒頭陳述によると、被告は双極性障害(そううつ病)を患っており、01年ごろに入院先で礒辺さんと知り合った。被告は好意を抱いていたとされ、2人の交流は続いた。被告は同居していた姉と折り合いが悪く、姉が親からの遺産を奪うことを警戒していた。
礒辺さんが殺害されたのは、被告が礒辺さん宅に泊まっていた22年6月8日午後10時55分~9日午前9時35分の間とされる。礒辺さんは9日未明にかけ、被告の姉と被告の体調についてメールのやり取りをした。
しかし被告は2人が結託して遺産を奪おうとしていると考え激高し、空気清浄機の電気コードで礒辺さんの首を絞め、頸部(けいぶ)圧迫により窒息死させた。9日夕方、礒辺さん宅にいとこが訪れた際、玄関は施錠されていた。
コードからは礒辺さんの血液が付着した被告の指紋が見つかり、血液が多数付いた被告のジャンパーも押収された。検察側は、事件当時「被告は心神耗弱だった」と指摘している。
弁護側は「検察側の証拠には疑問がある。被告は犯人ではない」と主張。被告は8日夜に礒辺さん宅で睡眠薬を飲んで先に眠り、翌朝布団の上でまだ寝ている礒辺さんを見た後、玄関の鍵をかけずに礒辺さん宅を出たとしている。