松戸市高塚新田の民間保育所「梨の花保育園」で2022年1月、保育士が園児に針を見せて「口を縫う」と発言する不適切な保育を行っていたことが27日、市などへの取材で分かった。市は23年3月、保育園に再発防止を求めていた。保育園の現役職員らが27日市役所を訪れ、この言動など「約20件の不適切保育があった」と通報し、市に対応を求めた。市は他の事案についても内容を確認する方針。
市などによると、22年1月、保育士が騒いでいた園児に対し裁縫箱から針を取り出して見せ「そんなに騒ぐなら口を縫う」と話したという。同年12月の通報メールを受け、市は保育園から事情聴取。保育園に事実関係を確認した上で、運営する社会福祉法人「松峰会」に23年3月、「不適切な保育と疑われる行為」として、保育の質の向上や働きやすい職場環境づくりなどを求める通知を市長名で出していた。
27日に市役所を訪れたのは、保育園の現役職員や元職員計8人ら。口を縫うと発言した事案も含め22~24年に園児を蹴ったり、羽交い締めにしたりするなど約20件の「不適切保育」を見聞きしたと主張し、市に対応を求めた。市は事実関係を調査し、3月15日までに書面で回答するとした。
保育園は取材に対し「責任者が不在でコメントできない」としている。