市川市の田中甲市長は、かつて市川に住み、名誉市民にもなっている文豪、永井荷風(1879~1959年)の名を冠した文学賞を創設すると発表した。概要は11月3日に実施予定の市制90周年記念式典で公表する予定で、賞の対象ジャンルや選定方法、選考委員など詳細を詰める。
市によると、明治期に荷風が編集主幹となり創刊した「三田文学」を発行する慶応大学の三田文学会からは、同賞創設に向けた協力を取り付けているという。
永井荷風は「墨東綺譚(きたん)」「ふらんす物語」「断腸亭日乗」などが代表作で文化勲章を受章している。戦後の1946(昭和21)年から市川に住み、59年4月に京成八幡駅近くの自宅で死去した。
市は2009年から原則毎年5月に「市川・荷風忌」と題した顕彰事業を開催。21年1月には市内の旧宅に残っていた六畳の部屋を市役所1階に移築再現し、公開している。